IHIの強み・弱み・将来性を分析【2026年就活】|企業研究・選考対策
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編集部
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結論から言うと、この会社の正体は「航空機エンジンの国際共同開発メーカー」であると同時に、エンジンを売った後の整備(MRO)で長期的に稼ぐ「アフターサービス企業」でもある。
基本情報
| 上場区分 | 東証プライム市場(証券コード7013) |
|---|---|
| グループ | IHIエアロスペース・IHI原動機・IHIターボ・IHI回転機械エンジニアリング等の事業子会社を傘下に持つ。単一の親会社・支配株主を持たない独立系の上場企業 |
| 創業・設立 | 1853年に水戸藩が石川島造船所を創設(日本初の本格的洋式造船所)/1889年に株式会社として設立 |
| 本社 | 東京都江東区豊洲三丁目1-1(豊洲IHIビル) |
| 代表者 | 井手博(代表取締役社長) |
| 資本金 | 1,071億円 |
| 従業員数 | 連結26,224名/単体8,199名(2026年3月末時点) |
| 売上高 | 連結1兆6,434億円(2026年3月期・IFRS) |
| 事業領域 | 資源・エネルギー・環境/社会基盤/産業システム・汎用機械/航空・宇宙・防衛の4事業領域 |
業界の基礎
日本の重工業を代表するのが、いわゆる「重工3社」——三菱重工業・川崎重工業・IHIである。
いずれもプラント・エネルギー・産業機械から航空・宇宙・防衛まで手がける総合重工メーカーだが、規模と得意分野は大きく異なる。
売上高で見ると、三菱重工業が5兆272億円と突出し、川崎重工業が2兆1,293億円、IHIは1兆6,268億円(2025年3月期ベース、各社公表値)と3社中最小規模である。
- 三菱重工業: 陸海空宇宙の防衛装備を一手に担う「オールラウンダー」
- 川崎重工業: 哨戒機・潜水艦からバイクまで手がける「多角特化型」
- IHI: 装備品そのものより、民間航空機エンジンの要素技術に深く入り込む「エンジン屋」
規模では見劣りするIHIだが、航空・宇宙・防衛セグメントの利益率は約17%と3社の中でも高水準にある。この「小さいが儲かる」構造こそが、IHIを理解する鍵になる。
事業内容

ビジネスモデル
ボイラー・橋梁・ターボチャージャーから航空機エンジン・ロケットまで、社会基盤から宇宙まで幅広い製品を設計・製造し、納入後の保守・整備(アフターマーケット)まで担う総合重工業エンジニアリング企業。近年は新造品の販売だけでなく、稼働後の整備・部品供給で長期的に稼ぐ「ライフサイクル収益」重視への転換を進める。
航空・宇宙・防衛
先進技術で航空輸送・防衛システム・宇宙利用の未来を開拓する最大セグメント。2026年3月期は売上収益6,517億円(前年比+17.3%・過去最高)、営業利益1,124億円と全社利益の大半を稼ぐ。
民間・防衛用ジェットエンジン次期戦闘機GCAP用エンジンロケット用ターボポンプイプシロンロケット産業システム・汎用機械
顧客のオペレーション最適化をライフサイクルで追求する事業。世界大手の車両用過給機を中核に、売上構成比は約27%。
車両用過給機パーキングシステム圧縮機・回転機械物流機械資源・エネルギー・環境
地域・顧客ごとの最適な総合ソリューションで脱CO2・循環型社会に貢献する事業。アンモニア燃焼技術など脱炭素分野への投資が目立つ。
ボイラアンモニア燃焼技術ガスタービン原子炉圧力容器・廃炉サービス社会基盤
橋梁・トンネル・水門を軸に、安全・安心な社会インフラの実現にグローバル・ライフサイクルで貢献する事業。4セグメント中最小規模。
橋梁(明石海峡大橋等)水門シールド掘進機
IHIは「資源・エネルギー・環境」「社会基盤」「産業システム・汎用機械」「航空・宇宙・防衛」という4つの事業領域を持つが、稼ぎ方は均等ではない。
2026年3月期の売上構成比は、航空・宇宙・防衛が約4割(6,517億円)を占め、しかも営業利益では全社の大半を稼ぎ出す。残る3領域は売上の合計では上回るものの、利益への貢献は限定的だ。
特筆すべきは、この航空・宇宙・防衛セグメントの伸びが「新造エンジンの販売」ではなく、納入後の整備・部品供給(アフターマーケット)によって支えられていること。埼玉・鶴ヶ島工場の整備能力拡大や米国での部品修理拠点新設は、その象徴的な投資である。
この会社の強み

エンジンは入口、儲けはMRO
民間航空機エンジン事業の売上高を2023年度比1.8倍の4,500億円(2030年度目標)へ引き上げる計画を掲げ、埼玉・鶴ヶ島工場の整備能力を拡大するなど、新造エンジンより整備・スペアパーツ(アフターマーケット)を成長エンジンに据える。
次期戦闘機エンジンの心臓部を握る
自社開発のXF9-1(推力15トン級・タービン入口温度1,800℃)の技術をロールス・ロイス(英)・アビオエアロ(伊)に提供し、次期戦闘機GCAPのエンジン共同開発を技術面で主導する。
ロケット屋から宇宙監視インフラへ
IHIエアロスペースは2021年度に航空自衛隊とSSA(宇宙状況把握)データサービス契約を締結し、2026年4月にはアリアングループと相生事業所に新型光学観測所を共同設置するなど、ロケット製造の枠を超え宇宙監視インフラ事業に布石を打つ。
アンモニア混焼から専焼への布石
JERA・NEDOと石炭火力での20%混焼実証に世界初成功(2024年4月)した実績に加え、2022年には2,000kW級ガスタービンで液体アンモニア100%燃焼にも世界初成功。台湾電力・PETRONAS等と複数国でアンモニア専焼商用化に向けたパイプラインを構築する。
商用車過給機の隠れた世界シェア
IHIターボの車両用過給機は世界シェア約30%・業界3位(累計生産1億台超)。大型トラックの排気ブレーキに対応する可変ジオメトリシステム搭載モデルは世界唯一とされるニッチ技術を持つ。
上の5つの強みは個別の技術トピックに見えて、実は「モノを作って終わりにしない」という一つの姿勢でつながっている。
民間航空エンジンでは新造よりも整備・部品供給で稼ぐ構造にシフトし(①)、次期戦闘機GCAPでは自社のエンジン技術をロールス・ロイス等に提供する形で開発の一角を担う(②)。さらにロケット製造で培った技術を、宇宙状況把握(SSA)という監視インフラ事業へ転用し(③)、アンモニア燃焼技術は混焼の実証で終わらせず専焼商用化への布石を各国で打つ(④)。
一見地味な車両用過給機(⑤)ですら、大型トラックの排気ブレーキという特殊要求に応える世界唯一の技術を持つ。共通するのは、一度作った技術・製品を次の収益源に転用し続ける粘り強さだ。
業績の推移(売上収益)
決算期は3月期(IFRS・連結)。
| 決算期 | 売上収益 | 営業利益 | 当期利益 |
|---|---|---|---|
| 2023年3月期 | 13,529億円 | 820億円 | 445億円 |
| 2024年3月期 | 13,225億円 | ▲701億円 | ▲682億円 |
| 2025年3月期 | 16,268億円 | 1,435億円 | 1,127億円 |
| 2026年3月期 | 16,434億円 | 1,655億円 | 1,610億円 |
2024年3月期は、Pratt & Whitney製PW1100G-JMエンジンの部品不具合対応で特別損失約1,583億円を計上し、15年ぶりの最終赤字に転落した。しかし2025年3月期以降は民間エンジン・防衛事業の伸びで一転V字回復し、2期連続で売上・利益とも過去最高を更新している。
競合の中での立ち位置

同じ重工3社でも、事業の広さと防衛・航空宇宙への傾斜度で戦い方は大きく異なる。
| 会社 | タイプ | IHIとの違い |
|---|---|---|
| IHI | エンジン技術特化型 | 装備品プライムではなく要素技術・整備で稼ぐ。3社中最小規模 |
| 三菱重工業 | 総合重工・オールラウンダー | 陸海空宇宙の防衛装備を一手に担う。売上規模は3社中最大(5兆円超) |
| 川崎重工業 | 多角特化型 | 哨戒機・潜水艦に加えバイク等のBtoC事業も持つ |
| SUBARU | 自動車本業・防衛は一部門 | 本業は自動車。航空宇宙・防衛は事業の一部門 |
| 住友重機械工業 | 産業機械中心 | 防衛色は希薄でBtoB産業機械が主軸 |
考え方として、装備品の「作り手」としてのスケールを求めるなら三菱重工業・川崎重工業が近いが、IHIは要素技術で複数メーカーの開発に食い込むという違いがある。
今後の展望

ビジョン
2040年に向けた中長期ビジョン
「日本の産業力・国力を再び世界トップレベルに高める一翼を担い、世界各国の経済・国家・エネルギーの安全保障に貢献する」ことを2040年の長期目標に掲げる(2026年5月8日公表)。前中期経営計画「グループ経営方針2023」の営業利益率7.5%目標を1年前倒しで達成し、次の3年間(2026〜2028年度)は売上成長率10%以上を掲げる先行投資フェーズに入る。
数値目標
| 営業利益率(2025年度目標) | 7.5% |
|---|---|
| 税引後ROIC(2025年度目標) | 8%以上 |
| 民間エンジン売上高(2030年度) | 4,500億円 |
| 売上成長率(CAGR)(26-28年度) | 10%以上 |
注力施策
民間航空エンジンMRO(整備)事業の拡大
埼玉・鶴ヶ島工場の整備能力を拡大し、修理棟を新設(投資額約130億円・2026年内稼働予定)。米国にも部品修理拠点を新設し、2030年度に民間エンジン事業売上高を2023年度比1.8倍の4,500億円に引き上げる計画。
防衛事業の拡大
2024年度の防衛装備品契約実績は6,383億円(前年比+64.2%)で三菱重工業に次ぐ国内2番手。スタンドオフ防衛能力向けの固体ロケットモーター増産のため群馬県富岡市に新工場棟を建設中(2028年度竣工目標)。
宇宙事業の展開
基幹ロケットH3の1段用LE-9エンジンのターボポンプを開発。IHIエアロスペースは宇宙状況把握(SSA)データ事業も展開し、2026年4月にアリアングループと相生事業所に光学観測所を共同設置する。
脱炭素・アンモニア事業
JERA・NEDOと石炭火力でのアンモニア20%混焼実証に世界初成功(2024年4月)。台湾電力・PETRONAS等と国際的な専焼商用化のパイプラインを構築する。
資本効率経営への転換
ROIC経営とCCC短縮を軸に低収益・低資本効率事業を見直し。運搬機械やIHI建材工業等の非中核事業の譲渡を進め、航空・宇宙・防衛と資源・エネルギー・環境へ経営資源を集中させる。
ロードマップ
1853
水戸藩の命により石川島造船所を創設(日本初の本格的洋式造船所)
1889
株式会社として設立
1929
自動車部門を分離し石川島自動車製作所を設立(現・いすゞ自動車の源流)
1945
石川島重工業株式会社に社名変更
1960
播磨造船所と合併し「石川島播磨重工業株式会社(IHI)」発足
2007
「株式会社IHI」に社名変更、本社を豊洲に移転
2021
鶴ヶ島工場が民間航空エンジンの新整備拠点として稼働開始
2024/4
JERA・NEDOと石炭火力でのアンモニア20%混焼実証に世界初成功
2024
PW1100G-JMエンジン問題で特別損失計上、15年ぶりの最終赤字(2024年3月期)
2026
売上収益・営業利益・当期利益とも2期連続で過去最高を更新(2026年3月期)
IHIの将来性を読む軸は、2040年に向けて「日本の産業力・国力を再び世界トップレベルに高める」という長期目標をどう実現するかだ。
前中期経営計画(グループ経営方針2023)で掲げた営業利益率7.5%の目標は1年前倒しで達成し、次の3年間(2026〜2028年度)は売上成長率10%以上を掲げる「先行投資フェーズ」に入る。営業利益率は10〜13%程度に抑えつつ、民間エンジンの整備能力・防衛の生産能力・宇宙やアンモニア関連の新規事業に資金を投じる方針だ。
非中核事業(運搬機械・IHI建材工業等)の譲渡を進め、航空・宇宙・防衛と資源・エネルギー・環境へ経営資源を集中させる——「選択と集中」の途上にある会社、というのがいまのIHIの実像である。
こんな人にピッタリ

民間航空エンジンの整備事業や、次期戦闘機・宇宙・アンモニア混焼といった技術の最前線に、重工3社の中では比較的コンパクトな組織で深く関わりたい人。
戦闘機・艦艇そのものより、民間航空機エンジンという世界レベルの要素技術を国際共同開発の中で極めたい
V2500・GE9X・次期戦闘機GCAP用エンジンなど国際共同開発で存在感を持つIHIが合う
既存の重工業基盤を使ってアンモニア混焼など脱炭素の新規事業立ち上げに挑戦したい
燃料アンモニアを航空エンジンと並ぶ柱に育てようとするIHIの姿勢が向く
橋梁やターボチャージャーなど目に見える大規模インフラ・機械を手掛けつつ、比較的コンパクトな組織で裁量を持ちたい
重工3社の中で最小規模のIHIの組織の身軽さが活きる
逆に合わない可能性がある人
志望度を上げる前に、入社後のギャップになりやすい観点も確認しておきたいポイントです。
戦闘機・艦艇そのものの開発中枢(プライムメーカーとしての立場)に関わりたい
IHIは装備品プライムではなく要素技術・整備での関与が中心のため、三菱重工業・川崎重工業の方が合う場合があります。
業績の安定性・予見可能性を最優先したい
航空エンジン事業の急激な赤字転落と急回復(2024年3月期に15年ぶり最終赤字)を経験した実績があり、事業の変動幅の大きさが気になる可能性があります。
バイク等のBtoC事業や消費者との直接接点がある仕事を志向する
IHIには消費者向けブランド事業が無いため、川崎重工業のような会社の方が合う場合があります。
求める人物像
課題設定・変革への挑戦
本質的な課題を自ら設定し、変革・創造に挑戦できる人(IHIグループが掲げる「求める発揮行動」より)。
越境して実践する力
多様な社内外のメンバーと協働し(越境)、実行して成果にこだわる(実践)ことができる人。
グローバルに通用する専門性
グローバルに通用する実力を身につけ、さらなる成長に向けて努力し続けられる人。
社会への責任と倫理観
「世界中の人々の安心・安全、豊かな暮らしを根幹から支える」というパーパスのもと、お客さまと社会に貢献し責任を果たせる人。
入社後のキャリアパス
入社〜1年目
新入社員1人に指導員(サポーター)が1人つくOJT体制と、約450講座の研修プログラムで基礎業務を習得する。
若手〜中堅
計画的なジョブローテーションで複数の職種・部署を経験。年1回の上司とのキャリア面談で「キャリアプラン(未来設計図)」を作成・更新する「キャリア・デベロップメント・プログラム」を運用する。
中堅以降
技術系は研究開発・設計・生産技術等の専門性を深めるか、プロジェクトマネジメントへ進むかを選択する傾向。事務系は営業・調達・企画管理・コーポレート間の異動を経て管理職を目指すキャリアが一般的とされる(媒体情報ベース、要確認)。
入社後は指導員1名がつくOJT体制と約450講座の研修プログラムで基礎を固め、その後は計画的なジョブローテーションで複数の職種・部署を経験する。年1回の上司とのキャリア面談で「キャリアプラン(未来設計図)」を作成・更新する仕組みがあり、自分の専門を技術系の中でも複数領域にまたがって広げられるのが特徴だ。
年収・待遇
有価証券報告書(提出会社単体)ベースの平均年収と、社員クチコミ(体験談)ベースの数値は水準に差があるため、出典を分けて整理する(2026年7月時点)。
初任給
| 修士了(公式・2025年4月実績) | 月額309,500円 |
|---|---|
| 大学卒(公式・2025年4月実績) | 月額285,000円 |
| 高専卒(公式・2025年4月実績) | 月額248,500円 |
平均年収(出典別)
| 公式(有価証券報告書・2025年3月期) | 約813万円(平均年齢41.1歳) |
|---|---|
| OpenWorkクチコミ(体験談) | 約664万円 |
年次・役職別の目安
| 新卒〜若手 | 400〜500万円が目安(OpenWorkクチコミ・体験談) |
|---|
待遇の特徴
- 平均勤続年数は16.1年(公式・有価証券報告書)
- 月平均残業はクチコミで約24.8時間、有給消化率は約56.8%(いずれも体験談)
社員のリアルな評判
公式情報だけでは見えにくい、現役・元社員の声から見た実態です(OpenWork(社員クチコミ531件・総合評価3.30)・転職会議(口コミ187件)等の社員クチコミ/IHI公式サステナビリティ開示データを併記)。 20〜30代のうちから裁量ある仕事を任せてもらいやすいという声がある一方、部門ごとの風通しの悪さや「昔ながらの日本の大企業」的な体質を指摘する声も目立つ。工場・工事部門と本社・事務部門で労務管理の厳しさに差があるとの体験談も複数ある。
| OpenWork総合評価(クチコミ) | 3.30(回答者531件) |
|---|---|
| 月平均残業(クチコミ) | 約24.8時間(回答者187件) |
| 有給消化率(クチコミ) | 約56.8% |
| 離職率(公式・2024年度) | 総離職率2.7%(自己都合退職率1.5%) |
評価する声
- 20〜30代のうちから裁量ある仕事を任せてもらいやすいという声がある
- 残業代が1分単位で支給されるなど労務管理がしっかりしている部署もあるという声
- 150年超の歴史を持つ重工業大手としての安定性と、航空エンジン等での高い技術力を評価する声
気になる声
- 部門ごとの風通しが悪く、部署間の連携が弱いという指摘が複数ある
- 工場・工事部門を中心に残業が多い傾向があるなど、部署による労働環境の差が大きい
- 「昔ながらの日本の大企業」的な体質が根強く、変革のスピード感に課題を感じるという声がある
就活生
編集部
IHIって実際、働きやすいの?
クチコミでは「若手からの裁量」「安定した労務管理(部署による)」「重工業大手としての技術力・安定性」を評価する声がある一方、「部門間の風通しの悪さ」「工場・工事部門の残業の多さ」「昔ながらの大企業体質」を課題に挙げる声もあります。月平均残業は約24.8時間、有給消化率は約56.8%(いずれもクチコミ・体験談)。配属される部署によって働き方の差が大きいというのが実態に近いでしょう。
沿革
IHIの起源は1853年、水戸藩が江戸・隅田川河口の石川島に開いた「石川島造船所」。日本初の本格的な洋式造船所として、幕末の国防需要から生まれた。
1889年に株式会社化した後、1929年には自動車部門を分離して石川島自動車製作所を設立している。これが現在のいすゞ自動車の源流であり、就活でも意外と知られていない接点だ。
1945年に石川島重工業へ改称し、1960年に播磨造船所と合併して「石川島播磨重工業(IHI)」が発足。2007年に現在の「株式会社IHI」へ社名変更し、本社を豊洲に移した。
近年は品質・データ管理を巡る事案も複数ある。2019年には民間航空機エンジン整備における無資格検査など211件の不正が発覚し社長が謝罪、2024年には子会社IHI原動機で燃料消費率データの改ざんが判明した(いずれも内部通報が契機、IHI公式発表ベース)。2026年6月には子会社IHIエアロスペースがJAXA関連業務で事実と異なる完了報告をしていたことも判明し、5か月間の競争参加資格停止処分を受けている。同時に業績は2025・2026年3月期に過去最高益を更新するなど回復軌道にあり、両面を押さえておきたい。
採用・選考

| 締切 | 要確認(応募資格は2027年3月末までに大学・大学院・高専卒業/修了見込み。具体的な締切日は公式マイページで確認) |
|---|---|
| 募集職種・コース | 技術系(研究開発・設計・生産技術・品質管理・建設・保守・情報システム等、専攻別採用)と事務系(営業・調達・企画管理・コーポレート等)の職種別採用。明確なコース制の記載はなく、職種別採用が基本。 |
| 勤務地 | 本社(東京都江東区豊洲)を中心に、相生・呉・横浜・田無・瑞穂・鶴ヶ島など全国の事業所・工場・研究所(群馬・福島・兵庫・広島等) |
| 選考難易度・特徴 | 就職難易度は高めの傾向。東洋経済オンライン「入社が難しい有名企業ランキング」(2025年2月・出身大学偏差値ベースの推計)で151位。倍率は就活メディアの推計で6.7倍〜43倍程度と情報源により大きく開きがあり(非公式)、正確な倍率は公表されていない。学歴フィルターは「明確にはない」との媒体評価が多いが、事務系は難関大中心との見方もある。 |
採用人数の推移
選考フロー
- プレエントリー
- エントリーシート提出・適性検査(SPI形式:言語・非言語・性格)
- 一次面接
- 複数回の面接
- 最終面接(合格で内々定)
選考で聞かれること
なぜ他社でなくIHIなのか
面接官が見ているポイント
資源・エネルギー・環境/社会基盤/産業システム・汎用機械/航空・宇宙・防衛という4事業領域を併せ持つ重工メーカーの中で、IHIを選ぶ必然性まで語れているか
どの事業領域に興味があるか
面接官が見ているポイント
IHIの4つの事業領域のうち具体的にどこに関心があるかを挙げ、自分の専攻・志向との接点を説明できる企業理解力があるか
当社で叶えたい夢は何か
面接官が見ているポイント
ESの定番設問「当社で叶えたい夢」を面接でも一貫して語れるか、入社後のキャリアを自分の言葉で描けているか
他社の選考状況とIHIの志望順位は
面接官が見ているポイント
併願先との比較の中でIHIをどう位置づけているか、志望度の高さと言動に矛盾がないか
一番力を入れて学んだテーマは
面接官が見ているポイント
ES「卒論・専攻テーマ概要」の内容を口頭でも簡潔に要約し、学びの本質を端的に伝えられるか
学業以外で力を入れた活動は
面接官が見ているポイント
ES「学業以外の活動」を、役割や工夫まで具体化して語れる説明力があるか
志をもってチャレンジしたことは
面接官が見ているポイント
ES「目的・工夫・役割・成果」の構造をそのまま口頭で再現し、成果に至るプロセスを一貫して説明できるか
研究の目的・方法・結果を教えて
面接官が見ているポイント
研究内容を目的・方法・結果の順で短時間に構造立てて説明できる論理構成力があるか
研究成果は他分野に応用できるか
面接官が見ているポイント
自分の専門を分野外にも敷衍して考える視野の広さと、技術を社会実装につなげる発想を持っているか
専門知識を問う技術的な質問
面接官が見ているポイント
専攻分野の基礎原理をその場で説明できる、付け焼き刃でない専門の地力があるか
研究は一人でやったかグループか
面接官が見ているポイント
個人研究か共同研究かを確認し、チームの中で役割を果たした経験の有無と再現性を見ているか
入社後携わりたい製品は
面接官が見ているポイント
志望を抽象論でなく製品・技術レベルまで具体化して語れるか、配属後を見据えて問われる
技術面でどう貢献できるか
面接官が見ているポイント
専攻分野の技術を事業領域のどの工程(研究・設計・生産技術等)で活かせるか、配属後を見据えて具体化できているか
短所とその克服法は
面接官が見ているポイント
短所を具体的なエピソードとともに語り、改善に向けた行動を継続できているか
経歴の一貫性が薄い部分について
面接官が見ているポイント
経歴の中で一貫性が崩れて見える箇所をあえて問い、人柄と行動選択の理由に説得力を持って答えられるか
リーダーに一番必要な要素は
面接官が見ているポイント
情熱・論理・共感のいずれを優先するか等の抽象的な問いに、自分なりの判断軸で即答できる思考力があるか
IHIの社風に合っていると思うか
面接官が見ているポイント
経営理念への共感度と、社風とのカルチャーフィットを見ているか
10年後どんな立場でいたいか
面接官が見ているポイント
携わりたい製品・事業と自身の技術的な立ち位置を結びつけ、長期的なキャリアビジョンの解像度を見ているか
勤務地の希望はあるか
面接官が見ているポイント
全国・海外に拠点を持つIHIグループでの就業に対する柔軟性と覚悟があるか
最後に何か質問はあるか
面接官が見ているポイント
入社後を見据えた技術・キャリア面の逆質問を通じ、志望度の高さと企業研究の深さを見ているか
インターンシップ
技術系コース(5日間/10日間の実習・有給)と技術系・事務系コース(1Dayワークショップ・オンライン)を実施。選考直結・優遇の有無は公式に明記がなく、媒体でも情報が分かれるため要確認。最新の時期・内容は公式マイページで確認。
IHIは技術系(研究開発・設計・生産技術等の専攻別採用)と事務系(営業・調達・企画管理等)の職種別採用で、明確なコース制はない。ES・適性検査(SPI形式)を経て複数回の面接に進むのが基本フローだ。
- 「なぜIHIか」だけでなく、4事業領域のどこに関心があるかを専攻・志向と結びつけて語れるようにしておく
- 技術系は研究内容を「目的・方法・結果」の順で簡潔に説明する練習をしておく(専門外の面接官にも伝わる説明力が問われる)
- 「当社で叶えたい夢」など独自のES設問があるため、入社後のキャリアを自分の言葉で描いておく
よくある質問
IHIの年収・初任給はどのくらいですか?
- 有価証券報告書による平均年収は約813万円(2025年3月期・平均年齢41.1歳)、社員クチコミベースでは約664万円とされます。初任給は修士了30.95万円・大学卒28.5万円(2025年4月実績・公式)です。
IHIの採用倍率・選考難易度は?
- 就職難易度は高めの傾向で、東洋経済オンラインの推計ランキングでも上位に入ります。倍率は就活メディアの推計で6.7倍〜43倍程度と情報源により大きく開きがあり(非公式)、正確な倍率は公表されていません。
IHIに学歴フィルターはありますか?
- 「明確な学歴フィルターはない」との媒体評価が多く、難関大〜中堅大まで幅広く採用されている傾向です。ただし事務系は難関大中心との見方もあります(体験談・推計ベース)。
IHIは激務ですか?評判は?
- 月平均残業はクチコミで約24.8時間、有給消化率は約56.8%とされます(体験談)。20〜30代でも裁量ある仕事を任される一方、部署による労働環境の差が大きいという声もあります。
IHIのインターンは選考に有利ですか?
- 技術系コース(5日間/10日間の実習)と技術系・事務系コース(1Dayワークショップ)があります。選考直結・優遇の有無は公式に明記がなく、媒体でも情報が分かれるため要確認です。
同じ「メーカー」業界の企業
同業他社と並べて見ると、その会社ならではの強みや立ち位置が浮かび上がります。志望理由づくりの比較材料にどうぞ。
最終更新: 2026-07-13