企業分析ドットコム

山九はなぜ「やばい」と言われるのか|受けるべき人・やめておくべき人【27卒・28卒】

山九はなぜ「やばい」と言われるのか|受けるべき人・やめておくべき人【27卒・28卒】のサムネイル

山九の就活が「やばい」と言われる理由を2つに整理し、受けるべき人・やめておくべき人を先に示します。平均年収730万円の中身と転勤の実態を、有価証券報告書などの一次情報で確認します。

読了目安 約13

「山九 就活 やばい」と検索したあなたが知りたいのは、たぶん2つだけです。

自分は受けるべきなのか。そして、なぜやばいと言われているのか。

先に、両方に答えます。読み進めるかどうかは、それから決めてください。

山九を受けるべき人・やめておくべき人

受けるべき人

  • 体力を使う現場仕事に抵抗がなく、専門性を積み重ねたい
  • 転勤・全国異動を前向きに受け止められる
  • 年功序列的な評価でも、長く勤めて手堅く積み上げていきたい
  • 「総合職でも数年は現場配属からスタート」という育成方針に納得できる
  • プラント建設や重量物輸送という専門領域に興味がある

迷ったら、この一点で決めていい

山九の「やばい」の中身は、突き詰めると働き方の前提に集約されます。総合職でも数年は現場配属からスタートし、3〜5年に一度は転勤がある、という前提です。

これを専門性と安定(平均勤続年数15年台)と引き換えに受け入れられるか、それとも負担に感じるか。この受け止め方の違いが、そのまま入社後の納得感を左右します。

負担に感じる側だったなら、それは能力の問題ではありません。合わないだけです。前向きに受け止められるなら、この会社は十分に合理的な選択肢になります。

なぜ「やばい」と言われるのか——理由は2つ

「やばい」という言葉に、いろいろな話が混ざっています。整理すると、根っこは2つです。

理由1:「平均年収730万円」はベテラン込みの数字

山九の有価証券報告書には、平均年収730.8万円(2026年3月期・提出会社単体)と記載されています。ただしこれは平均年齢41.3歳・平均勤続年数15.2年という、ベテラン層を含む全社平均です。

口コミサイトの集計では、もっと若い層の実態が見えます。OpenWork(平均年齢31歳)では平均年収537万円、キャリコネの独自集計では462万円です。「730万円」を新卒の相場だと思って受けると、期待値がずれます。

理由2:総合職でも、数年は現場配属からスタートする

「総合職入社であっても、最低数年は青い作業服を着て現場で油まみれになりながら仕事をする」という元社員の口コミがあります。転勤・異動についても、「3〜5年に一回」という声が独立した2つの口コミサイトで確認できます

全国にプラント・港湾の現場を持つ事業構造上、この働き方は会社の設計そのものと言えます。


ここまでが要点です。この2つを読んで「無理だ」と思ったなら、もう受けなくていいと思います。

以下は、それぞれを数字と一次情報で確かめていきます。会社自身が有価証券報告書で認めている意外な「弱み」の数字も、この後で紹介します。

編集部

悩んでいる間も持ち駒は増やせるよ。就活サービス17個をカテゴリ別に比較してみたから、まだ2〜3個しか使っていない人はチェックしてみて!

参考になるデータ

判断材料になる数字を、出どころつきで並べます。山九は東証プライム上場企業(証券コード9065)のため、有価証券報告書という監査済みの一次情報が使えます

業績は2期連続で過去最高を更新している

決算期売上高経常利益
2022年3月期5,538億円354億円
2023年3月期5,792億円396億円
2024年3月期5,635億円366億円
2025年3月期6,068億円447億円
2026年3月期6,316億円434億円

(有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」より)

2024年3月期に一時的な減益を経て、2025年3月期・2026年3月期と2期連続で増収・過去最高を更新しています。収益の柱は港湾荷役等の物流事業よりも、プラント建設・保全を担う機工事業側(2025年3月期営業利益の約73%)にシフトしています。

平均年収は直近1期で急伸した

決算期平均年収
2014年3月期532万円
2020年3月期604万円
2023年3月期599万円
2025年3月期641万円
2026年3月期730万円

(IRBANK集計。2026年3月期の値は有価証券報告書原本と一致確認済み)

2025年3月期から2026年3月期の1年間で89万円(+14.0%)という急な伸びが起きています。2023〜2026年度と4年連続で初任給・賃金水準の見直しが実施されたことと符合します。単年の急伸である点は覚えておいてください。

離職率は非開示。会社自身が「弱み」も認めている

有価証券報告書に、離職率・定着率の記載は一切ありません。人的資本のKPIとして開示されているのは「労働災害度数率」「エンゲージメントスコア」など4指標のみです。

そのエンゲージメントスコアが、2025年度実績で43.8%(肯定的回答の割合)でした。会社が掲げる2030年度目標は50%以上で、目標に届いていません

有価証券報告書には「事業目標と自身の仕事への紐づけができていない」という課題も、会社自身の言葉として明記されています。

これは口コミではなく、会社が自ら開示した一次情報です。

比較用に、厚生労働省の統計を置いておきます。

統計数値
産業別離職率・運輸業,郵便業(令和6年)10.2%
産業別離職率・全産業計(令和6年)14.2%

(厚生労働省「雇用動向調査」)

山九の事業は物流事業(運輸業に近い)と機工事業(建設業に近い)にまたがるため、単一の業種統計だけで実態は語れません。「物流業界=離職率が高い」というイメージと、この統計は必ずしも一致しない点は押さえておいてください。

山九の仕事の中身

山九の事業は3つに分かれます。「ロジスティクス」(港湾荷役・重量物海上輸送・倉庫等)、「プラント・エンジニアリング」(プラントの設計・建設・据付)、「オペレーションサポート」(工場構内の構内物流・保全)です。

プラントの企画段階から設計・建設・重量物輸送・据付・試運転までを自社で完結する「一貫体制」が特徴で、鉄鋼・石油・電力といった重工業を主要な取引先としています。

新卒の職種区分も、この事業構造を反映して現場系の名前が並びます。「プラント・エンジニアリング部門」「操業支援部門」「物流部門」という区分で、企画・マーケティング色の強い単独の「総合職」という括りは前面に出ていません。

採用サイトには「入社後は先輩や職人さんから学ぶ機会が多くあり、必要な技術や資格は一から身につけられる」とあります。溶接・玉掛けなど共通の資格は入社後の研修で、フォークリフトやクレーンなど職種別の資格は配属後に取得する運用です。

選考とインターンの流れ

インターンは先着順で、参加のハードル自体は低い

インターンは職種系統によって内容が異なります。技術系(プラント・エンジニアリング系)は5日間、北九州の工場で現場見学とワークを行う形式で、少人数開催の年もありました。物流系は1日間のオンライン開催で、説明会・座談会が中心です。

参加選考は「先着順」で、応募すればほぼ参加できたという体験談があります。就活メディア集計の選考難易度スコアも1.50/5.0と低めです。

本選考はエントリー→適性検査→2段階面接

公式の募集要項によれば、選考フローはエントリー→企業説明会→Web適性検査→一次面接→最終面接です。ロジスティクス部門・コーポレート部門志望者は、これに加えてエントリーシート提出が必要とされています。

就活メディアの体験談でも、この2段階面接構成がおおむね一致して報告されています。一次面接はWeb形式(2〜3対1)で「和やかな雰囲気」、最終面接は対面形式(3〜5対1)で「厳かな雰囲気」という体験談があります。

グループディスカッションについては、複数の就活メディアで体験記が見当たらず、実施頻度は低いか、実施していない可能性があります(断定はできません)。

面接では「志望動機」「学生時代に力を入れたこと」に加えて、「転勤や体力について尋ねられる」という報告が複数あります。プラント・重量物輸送という事業特性に対する適性・覚悟を見られているとみられます。

学歴フィルターは「なさそう」だが、断定はできない

マイナビの企業ページに掲載された採用実績校には、東京大学・京都大学・大阪大学から早稲田大学・慶應義塾大学まで80校以上が並びます。応募資格は「学部・学科を問わない」と明記されています。

ただし、「学歴フィルターが存在しない」と会社が明言した一次情報は確認できませんでした。

成長できる・手に職がつくと言われる理由とは?

山九の事業がプラントの設計・建設・重量物輸送・保全という専門性の高い領域であることから、施工管理・クレーン運転・重量物運搬据付といった専門技能が実務を通じて身につくという構造は、事業内容から確認できます。

制度面の裏付けもあります。寮・住宅支援制度に加えて、卒業後10年以内が対象の奨学金代理返済制度(最大180万円、最長10年間)、入社3年目までの帰省旅費を年2回会社が負担する制度があります。全国に転勤があることを前提にした設計です。

初任給も2023〜2026年度と4年連続で見直しが実施されており、処遇改善に会社として力を入れている動きは事実として確認できます

同じ「現場を持つ」業界で、働き方が違う会社

「体力を使う仕事、専門性の高い仕事に興味がある」ことと「山九の働き方が合う」ことは、別の話です。

前者が理由でここを受けようとしているなら、同じように大規模な現場を持ちながら、事業のかたちがまったく違う会社を先に見てから決めても遅くありません

企業働き方の違い
鹿島建設スーパーゼネコン5社の一角で売上トップ級。「超高層の鹿島」と呼ばれ、海外売上比率も業界トップ級。建築・土木の受注生産型
大林組東京スカイツリー施工で知られるスーパーゼネコン。2026年に海外企業の買収を発表するなど、「受託して作る」から「自ら事業主体になる」へ転換中
川崎汽船非財閥系の独立系海運会社。自動車船世界4位の専用船力を持ち、陸上勤務と乗船勤務でキャリアの形が大きく異なる

同じ「大規模な現場・設備を動かす仕事」でも、山九のように工場構内に常駐して保全を担う会社もあれば、数年がかりの建設プロジェクトを渡り歩く会社、海の上で船を動かす会社もあります。

そして比較対象を増やすこと自体が、1社に追い込まれない一番の防御です

よくある質問

平均年収730万円は本当ですか?

有価証券報告書に記載された実在の数値です(2026年3月期・提出会社単体、平均年齢41.3歳・平均勤続年数15.2年)。ただしこれは前年度比+14.0%という急伸を経た全社平均で、41歳・勤続15年というベテラン層を含みます。OpenWorkの口コミ集計(平均年齢31歳・平均年収537万円)やキャリコネの集計(462万円)ではもっと低い水準が示されており、新卒〜若手の実態は500万円前後とみるのが妥当です。

転勤は避けられませんか?

総合職として採用されても、少なくとも数年は現場配属からのスタートになるという口コミが複数あり、転勤・異動についても「3〜5年に一回」という声が独立した2つの口コミサイトで確認できます。山九はプラント建設・重量物輸送・港湾物流など全国に拠点・現場を持つ事業構造のため、転勤が発生しやすい業態であること自体は事業内容とも整合します。断定的な「必ず何年に1回」というルールは確認できていません。

離職率は結局何%なのですか?

有価証券報告書に離職率・定着率の開示はなく、公式な数値は確認できませんでした。比較用の統計として、厚生労働省「雇用動向調査」の運輸業,郵便業の離職率は10.2%(2024年)で、全産業平均14.2%より低い水準です。ただし山九の事業は運輸業に近い物流事業と、建設業に近い機工事業にまたがるため、単一の業種統計だけで実態を語ることはできません。

まとめ

山九が「やばい」と言われる理由は2つでした。「平均年収730万円」というベテラン込みの数字と、総合職でも数年は現場配属からスタートし転勤があるという働き方です。

そして数字を確かめると、見え方が少し変わります。平均年収は直近1期で急伸したベテラン込みの数字で、若手の実態は500万円前後とみられます。業績は2期連続で過去最高を更新し、初任給も4年連続で見直されています。

一方で、離職率・定着率の公式開示は一切なく、会社自身がエンゲージメントスコア43.8%(目標未達)という課題を有報で認めています。噂ではなく、会社が自ら開示した数字の中に「弱み」が書かれているという事実は、覚えておく価値があります。

そのうえで、問いは一つです。総合職でも現場配属からスタートし、3〜5年に一度の転勤がある働き方を、専門性と安定(平均勤続15年)と引き換えに受け入れられるか。

受け入れられるなら、手堅く専門性を積み上げる選択として合理的です。受け入れられないなら、受けないほうがいい。「平均730万円」という数字だけを見て、自分の初任給の相場だと錯覚することだけが、一番避けたい結末です。

よくある質問

平均年収730万円は本当ですか?
有価証券報告書に記載された実在の数値です(2026年3月期・提出会社単体、平均年齢41.3歳・平均勤続年数15.2年)。ただしこれは前年度比+14.0%という急伸を経た全社平均で、41歳・勤続15年というベテラン層を含みます。OpenWorkの口コミ集計(平均年齢31歳・平均年収537万円)やキャリコネの集計(462万円)ではもっと低い水準が示されており、新卒〜若手の実態は500万円前後とみるのが妥当です。
転勤は避けられませんか?
総合職として採用されても、少なくとも数年は現場配属からのスタートになるという口コミが複数あり、転勤・異動についても「3〜5年に一回」という声が独立した2つの口コミサイトで確認できます。山九はプラント建設・重量物輸送・港湾物流など全国に拠点・現場を持つ事業構造のため、転勤が発生しやすい業態であること自体は事業内容とも整合します。断定的な「必ず何年に1回」というルールは確認できていません。
離職率は結局何%なのですか?
有価証券報告書に離職率・定着率の開示はなく、公式な数値は確認できませんでした。比較用の統計として、厚生労働省「雇用動向調査」の運輸業,郵便業の離職率は10.2%(2024年)で、全産業平均14.2%より低い水準です。ただし山九の事業は運輸業に近い物流事業と、建設業に近い機工事業にまたがるため、単一の業種統計だけで実態を語ることはできません。

関連企業(3社)