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鹿島建設の強み・弱み・将来性を分析【2026年就活】|企業研究・選考対策

鹿島建設の企業分析サムネイル

企業分析・就活ガイド

読了目安 約23

業界の基礎

就活生

ゼネコンって5社とも大きすぎて、正直どこも同じに見えてしまいます…。

編集部

見分けるコツは「得意分野(土木か建築か)×海外・開発にどれだけ積極的か」の2軸。これで5社が一気に整理できますよ。

ゼネコン(総合建設会社)は、ビル・道路・橋・ダム・トンネルなどの建設工事を、設計から施工まで一括して請け負う事業である。

その中でも、売上規模と技術力で群を抜く5社が「スーパーゼネコン」と呼ばれる。

鹿島建設・大林組・清水建設・大成建設・竹中工務店の5社だ。

鹿島はこの中で売上トップ級に位置し、近年は建設業界で初めて3兆円規模に到達した。

スーパーゼネコンは、それぞれ得意分野や戦い方が異なる。

  • 土木に伝統的に強い: 鹿島(ダム・原子力・トンネル)、大成建設
  • 建築に強い: 竹中工務店(建築専業・作品主義)、清水建設
  • 海外・開発に積極的: 鹿島(海外比率トップ級)

鹿島は、土木の技術ブランドと海外・開発志向を併せ持つ点で際立っている。

事業内容

鹿島建設の事業内容: 建築事業、土木事業、開発事業等(不動産)、海外事業

ビジネスモデル

設計から施工までを一貫して担う建設事業(土木・建築)を柱に、不動産開発・海外・グループ会社による多角構造を持つスーパーゼネコン。超高層・ダム・トンネル・原子力など高難度工事と、海外建設・開発に積極的なのが特徴。会計基準は日本基準。

  • 建築事業

    超高層ビル・再開発・各種建築物の設計施工を担う最大セグメント。霞が関ビル以来の超高層・耐震技術が強み。

    超高層オフィス東京駅丸の内駅舎の保存・復原都市再開発
  • 土木事業

    ダム・トンネル・橋梁・原子力施設など社会インフラ土木の設計施工。高難度・大型工事に伝統的な強み。

    ダム山岳・シールドトンネル原子力施設防潮堤
  • 開発事業等(不動産)

    都市開発・不動産・PPP。自社開発・賃貸・私募リートなどストック収益の拡大を進める。

    都市再開発物流施設開発不動産賃貸・運営
  • 海外事業

    北米・東南アジア等での建設・開発。海外関係会社の売上は連結の約3分の1を占め、業界トップ級の海外比率。

    北米建設・物流開発(Core5)東南アジア建設・開発

鹿島の事業は、設計から施工までを一貫して担う建設事業(土木・建築)が柱で、そこに不動産開発・海外・グループ会社による多角構造が重なる。

就活で押さえたいのは、巨額の売上を扱う一方で建設業の利益率は薄いという構造だ。鹿島の売上高営業利益率は約5%程度で、資材価格の高騰や労務費の上昇が利益を圧迫しやすい。だからこそ鹿島は、請負一本足から脱却するために利益率の高い不動産開発と海外事業へ重心を移しつつある。連結売上の約3分の1を海外が占めるという数字は、その転換が他のゼネコンより一歩進んでいることを示している。

この会社の強み

鹿島建設の強み: スーパーゼネコン売上トップ級の規模、土木の技術ブランドと難工事の実績、霞が関ビル以来の超高層建築、業界トップ級の海外売上比率、技術立社を支える研究開発力
  1. スーパーゼネコン売上トップ級の規模

    大林組・清水建設・大成建設・竹中工務店と並ぶスーパーゼネコン5社の一角で、連結売上は2兆9,118億円(2025年3月期)と業界トップ級。近年は建設業界で初めて3兆円規模に到達し、5期連続で増収増益を続ける

  2. 土木の技術ブランドと難工事の実績

    ダム・トンネル・原子力施設など高難度の土木に伝統的に強い。国内原発の多くの建設に関与し、リニア南アルプストンネルや東京外環道の大断面シールドなど難工事の常連。特許資産規模はゼネコンで首位級の技術力

  3. 霞が関ビル以来の超高層建築

    1968年に日本初の超高層ビル「霞が関ビルディング」(地上36階)を手がけて以来、「超高層の鹿島」として耐震・制震技術を蓄積。東京駅丸の内駅舎の保存・復原など象徴的な建築実績を持つ

  4. 業界トップ級の海外売上比率

    海外関係会社の売上が約1兆1,145億円(2025年3月期・前期比+29.6%)と連結の約3分の1を占め、スーパーゼネコンで海外比率がトップ級。北米の物流施設開発(Core5)や東南アジアで、建設請負と自社開発を組み合わせて展開する

  5. 技術立社を支える研究開発力

    1949年にゼネコンで初めて技術研究所を設立。自動化施工技術「A4CSEL(クワッドアクセル)」やCO2を吸収するコンクリート「CO2-SUICOM」など、建設DXと環境技術で業界をリードする

就活生

強みが5つもあると、面接でどれを語ればいいか迷ってしまいます…。

編集部

実は5つは別々の武器ではなく、「技術立社」という一本の背骨から枝分かれしたもの。そこを線で繋げて語れる就活生は一気に差がつきます。

鹿島の5つの強みは、バラバラの自慢話ではなく「技術立社」という一本の背骨から派生したものとして読むと腑に落ちる。

1949年にゼネコンで初めて技術研究所を構えた研究開発力が、ダム・原子力・トンネルといった土木の難工事ブランドを生み、日本初の超高層「霞が関ビル」以来の耐震技術を蓄えさせた。そして、この高難度を捌ける技術力こそが、建設請負と自社開発を組み合わせる海外事業(連結の約3分の1)を支え、売上トップ級・5期連続増収増益という規模に結実している。つまり「技術で難しい仕事を取り、その技術を海外・開発で収益化する」循環が鹿島の本当の強みであり、A4CSELのような自動化施工は、人手不足の時代にこの循環を次世代へ継ぐための布石だ。

強み・弱み早見表

強み
  • スーパーゼネコンで売上トップ級の規模
  • ダム・原子力・トンネルなど土木の技術ブランド
  • 海外売上比率が業界トップ級(連結の約3分の1)
機会
  • 海外・不動産開発を伸ばす成長戦略
  • 自動化施工A4CSELによる生産性向上
  • CO2-SUICOM等環境技術の事業化
弱み
  • 売上高営業利益率約5%と薄利な収益構造
  • 長時間労働になりやすい施工管理現場
  • 有給消化率が約49.5%にとどまる
脅威
  • 2024年問題による残業規制と人手不足
  • 資材価格高騰・労務費上昇による利益圧迫

業績の推移(売上高)

2兆797億2022/3期2兆3,916億2023/3期2兆6,652億2024/3期2兆9,118億2025/3期
売上高(日本基準・連結)。スーパーゼネコンで売上トップ級。2022年3月期の2兆797億円から増収を続け、2025年3月期は2兆9,118億円。近年は建設業界で初めて3兆円規模に到達した。一方で売上高営業利益率は約5%と建設業特有の薄利体質で、資材高騰・労務費上昇が利益率を圧迫する。

鹿島は3月決算で、会計基準は日本基準を採用している。

決算期売上高営業利益純利益
2022年3月期2兆797億円1,234億円1,039億円
2023年3月期2兆3,916億円1,235億円1,118億円
2024年3月期2兆6,652億円1,362億円1,150億円
2025年3月期2兆9,118億円1,519億円1,258億円

鹿島の売上は2兆円規模から着実に伸び、近年は建設業界で初めて3兆円規模に到達した。

一方で、売上高営業利益率は約5%と薄い。これは建設業に共通する構造で、資材価格の高騰や労務費の上昇が利益率を圧迫しやすい。

そのため鹿島は、利益率の高い不動産開発や海外事業を伸ばす戦略を取っている。

中期経営計画では、2026年度に連結純利益1,300億円以上・ROE10%超、2030年度に1,500億円以上を掲げる。

数値は公式IR・決算短信ベース。建設業は売上が巨大でも利益率が薄く、工事採算や資材価格に業績が左右されやすい。

競合の中での立ち位置

鹿島建設 のポジショニングマップ
ゼネコン業界の中での鹿島建設(得意分野×海外・開発志向)

同じスーパーゼネコンでも、得意分野や海外・開発への積極度は異なる。

会社タイプ鹿島との違い
鹿島建設土木に強い×海外・開発に積極売上トップ級。土木の技術ブランドと海外比率の高さが際立つ
大成建設土木建築バランス型土木でも稼ぎ、開発も積極化。5社で唯一の非同族
大林組建築主軸+土木北米傾斜の海外展開。海外に積極だが鹿島ほどではない
清水建設建築主導建築比率が高く、海外比率は相対的に低い
竹中工務店建築専業・作品主義非上場で建築に特化。土木はグループ別会社
長谷工マンション特化マンション施工に特化した垂直統合型

考え方として、「土木に強い×海外・開発に積極」という象限に鹿島は際立って位置する。

金額では鹿島も建築が主体だが、ダム・原子力・トンネルといった難工事の技術ブランドと、業界トップ級の海外比率が、鹿島ならではの色になっている。

今後の展望

鹿島建設の数値目標(2026年度(目標))

ビジョン

鹿島グループ中期経営計画(2024〜2026)

「中核をさらに強化し、未来を開拓する」を掲げ、技術立社として国内外の建設事業・不動産開発をさらに強化する。成長戦略は「国内建設事業を深める」「成長領域(海外・開発)を伸ばす」「技術立社として新たな価値を創る」「サステナビリティ」の4本柱。

数値目標

連結当期純利益(2026年度(目標))1,300億円以上
連結当期純利益(2030年度(長期目標))1,500億円以上
ROE(2024〜2026年度)継続的に10%超
株主還元(累計)(2024〜2026年度)2,000億円程度(配当性向40%目安)

注力施策

  • 国内建設事業の深化

    設計施工力・エンジニアリング力を強化し、エネルギー・インフラ更新・再開発・生産施設を重点に。デジタル化・自動化施工で生産性を高める。

  • 不動産開発事業の収益拡大

    ホテル・住宅・物流倉庫へレパートリーを広げ、私募リートの成長や投下資金の早期回収で投資効率を高める。

  • 海外事業のグローバル展開

    北米・欧州・アジア・大洋州のネットワークを活かし、海外開発の投資・売却・再投資サイクルを拡大する。

  • 建設DX・自動化施工

    自動化施工技術「A4CSEL」の現場実装やロボット化・スマート生産で、人手不足と働き方改革に対応する。

  • カーボンニュートラル・研究開発

    「鹿島環境ビジョン2050plus」のもと、CO2を吸収するコンクリートやZEBなど環境技術と新規事業を推進する。

ロードマップ

  1. 1840

    鹿島岩吉が江戸・中橋に創業(鹿島組の起源)

  2. 1880

    鉄道建設に進出し、請負業者としての基盤を確立

  3. 1930

    株式会社鹿島組として法人化

  4. 1949

    ゼネコンで初めて技術研究所を設立

  5. 1968

    日本初の超高層ビル「霞が関ビルディング」が竣工

  6. 2024

    「鹿島グループ中期経営計画(2024〜2026)」を発表

  7. 2025

    5期連続増収増益。近年は売上3兆円規模に到達

鹿島の将来性は、「請負で稼ぐ会社」から「技術と開発で稼ぐ会社」への転換が進むかで読む。1840年創業以来の「進取の精神」と「技術立社」というカルチャーは、高難度の難工事に挑む技術志向と、海外・開発で利益率を取りにいく事業構造の転換という、一見相反する二つの動きを同時に支えている。

足元の論点は、薄利な請負を高収益の海外・不動産開発でどこまで補えるか、そして2024年問題(建設業の時間外労働上限規制)に象徴される人手不足を、A4CSELのような自動化施工で乗り越えられるかだ。この二つこそが、規模で頭打ちになりがちな成熟業界で鹿島が成長を続けられるかの分かれ目になる。

こんな人にピッタリ

鹿島建設が合う人・合わない可能性がある人の早見表

スケールの大きな社会基盤づくりに情熱を持ち、高難度の技術や海外プロジェクトに、転勤を伴いながらも挑みたい人に向く。

  • スケールの大きな社会基盤づくりに情熱を持ちたい

    ダム・超高層・トンネルなど国土を支える鹿島が合う

  • 高難度の技術や研究開発に挑みたい

    ゼネコン初の技術研究所と自動化施工を持つ鹿島が向く

  • 海外の建設・開発でグローバルに働きたい

    海外売上比率が業界トップ級の鹿島が活きる

逆に合わない可能性がある人

志望度を上げる前に、入社後のギャップになりやすい観点も確認しておきたいポイントです。

  • 「作品としての建築」を意匠・設計で究めたい

    設計施工一貫の作品主義が強い竹中工務店や、建築比率の高い清水建設の方が合う場合があります。

  • 全国・海外転勤を避けて勤務地を固定したい

    全国・海外の現場を回る色が強いため、勤務地を限定できる職種や業態の方が合う場合があります。

  • 住宅・マンションで暮らしに密着した建設をしたい

    マンション施工に特化した長谷工のような企業の方が合う場合があります。

求める人物像

  • 責任感を持ってやり抜く人

    与えられた職務を着実に遂行し、最後までやり抜く責任感を持つ人。

  • 挑戦意欲(進取の精神)を持つ人

    自分の力で何かを開拓しようとする、創業以来の「進取の精神」に満ちた挑戦意欲を持つ人。

  • バランス感覚のある人

    多様な要素を円滑にコントロールし、自分の仕事をベストの方向に導く調整力を持つ人。

  • チームで協働できる人

    複数の職種・部門・協力会社が連携する大規模プロジェクトで、チーム一丸となって目標へ向かえる人。

  • ものづくりと社会貢献に情熱を持つ人

    建設を通じて社会に貢献することへの強い動機と、スケールの大きいものづくりへの情熱を持つ人。

入社後のキャリアパス

  1. 入社〜初期配属

    技術系(建築技術系・土木系=施工管理)は全国・海外の建設現場に配属され、現場で施工管理の実務を積みます。事務系もキャリア初期に現場事務を経験し、現場運営を支えます。

  2. 若手〜中堅(現場ローテーション)

    全国・海外の現場を異動しながら経験を積みます。建設業特有で転勤・現場異動が多いのが特徴です。土木系は研究・設計・施工の各部門を回ることもあります。

  3. 専門分化・職能深化

    建築設計(意匠・構造)、研究(技術研究所)、機電・数理(建設ロボット・AI・DX)など、職種に応じて専門性を深めます。設計者は街づくりから竣工まで長期間案件に関与します。

  4. 現場所長・管理職・海外

    技術系キャリアの到達点の一つが、一つの建設現場全体を統括する「現場所長」です。その後は支店・本社・海外プロジェクトや管理職へ広がります。事務系は営業・コーポレート・海外へとフィールドが拡大します。

鹿島のキャリアは、職種(技術系・事務系)によって大きく異なる。

技術系の施工管理(建築技術系・土木系)は、全国・海外の建設現場に配属され、現場で実務を積む。建設業特有で転勤・現場異動が多いのが特徴だ。

技術系キャリアの到達点の一つが、一つの建設現場全体を統括する「現場所長」である。数百人規模の協力会社をまとめ、工程・品質・安全・採算に責任を負う重責で、ゼネコン技術者にとって大きな節目となる。

その後は支店・本社・海外プロジェクトや管理職へ広がる。事務系は現場事務から営業・コーポレート・海外へとフィールドが拡大し、「現場所長の右腕」として現場のものづくりを支える。

年収・待遇

鹿島建設は有価証券報告書を提出しており平均年収は公式値が確認できる。ゼネコンでも業界最高水準とされる。ここでは有報の公式値・公式募集要項と、社員クチコミ(体験談)を出典を分けて整理する(2026年6月時点)。

初任給

大学卒・総合職(公式・2026年度)月給30万円
大学院修士了・総合職(公式)月給32万円
専門職(高卒〜大卒・公式)月給21.5万〜25万円(区分による)

平均年収(出典別)

公式(有価証券報告書・2025年3月期)約1,180万円台(平均41.9歳・単体)。ゼネコンでも業界最高水準
OpenWorkクチコミ(体験談)約902万円(回答者273名)。設計職・管理職が高く事務職が低めの職種差があり、有報値より低く出る

年次・役職別の目安

25〜29歳(クチコミ)約703万円(エンゲージ集計・体験談)
30代(クチコミ)約889〜916万円。30代で1,000万円到達も一般的との声(体験談)
50代(クチコミ)約1,020万円(エンゲージ集計・体験談)

待遇の特徴

  • 昇給は年1回・賞与は年2回(6月・12月)。「賞与が相当大きい」「上がり続けている」との声(クチコミ)
  • 施工管理(現場・残業反映)が高く、事務・一般職は相対的に低めという職種差が一貫(体験談)
  • 公式の有報平均(約1,180万円台)とクチコミ集計(約903万円)の差は、集計母体・職種偏りによるもの

社員のリアルな評判

公式情報だけでは見えにくい、現役・元社員の声から見た実態です(OpenWork・就活会議・エンゲージ等の社員クチコミ) 業界最高水準の高年収、ダム・トンネル・超高層など大規模建造物に携わるスケールとやりがい、技術力・安定性を高く評価する声が中心。一方で、建設業特有の長時間労働、全国・海外の転勤の多さ、現場の休日の取りにくさ・体力負担を課題に挙げる声も共存する。2024年4月からの建設業の時間外労働上限規制(2024年問題)への対応途上にある。

月平均残業(クチコミ)約49〜56時間(媒体・集計時期で差・現場で高い傾向)
有給消化率(クチコミ)約49.5%(OpenWork集計)
平均勤続年数(公式・有報)約16.4年(2025年3月期)

評価する声

  • スーパーゼネコンらしい業界最高水準の高年収
  • ダム・トンネル・超高層などランドマークを手がけるスケールとやりがい
  • 技術力・研究開発力への評価と、1840年創業の安定・ブランド
  • 賞与の手厚さ・着実な昇給(クチコミ)

気になる声

  • 長時間労働になりやすい(特に施工管理・現場)
  • 全国・海外を含む転勤の多さ
  • 現場は休日が取りにくく体力負担が大きい傾向
  • 有給消化率がクチコミ集計で約5割にとどまる

鹿島って、業界最高水準の年収のぶん激務なの?

評判では「業界最高水準の高年収」「大規模建造物のスケールとやりがい」「技術力・安定性」を評価する声が多い。

一方で、建設業特有の長時間労働、全国・海外の転勤の多さ、現場の休日の取りにくさ・体力負担を課題に挙げる声もある(いずれも社員クチコミ・傾向)。要するに、業界最高水準の待遇は「現場で身体を張る対価」という二面性を持つ。残業の多くは施工管理・現場に集中し、有報平均がクチコミ集計より高く出るのも、設計・施工管理が高く事務職が低いという職種差の裏返しだ。

なお、2024年4月から建設業に時間外労働の上限規制(2024年問題)が適用され、現場の週休2日相当(4週8閉所)など働き方改革に取り組む途上にある。この負担構造が今後どこまで緩和されるかは、志望時に見ておきたい論点だ。

沿革

鹿島建設は、1840年(天保11年)に鹿島岩吉が江戸・中橋で創業した「鹿島組」を起源とする。

明治期には鉄道建設に進出し、請負業者としての基盤を確立した。

1930年に株式会社鹿島組として法人化し、戦後は土木・建築の両面で実績を重ねた。

転機の一つが、1968年に手がけた日本初の超高層ビル「霞が関ビルディング」だ。

地震国・日本で超高層を実現する耐震技術を確立し、「超高層の鹿島」の名を広めた。1949年にゼネコンで初めて技術研究所を設けたことも、現在の「技術立社」の原点になっている。

採用・選考

鹿島建設の選考フロー
締切要確認(最新は公式採用ページで確認)
募集職種・コース総合職(事務系と技術系)と専門職(高卒・専門卒含むエリア型)に大別。技術系は土木系・建築技術系(施工管理)・建築設計系(意匠・構造)・設備系・エンジニアリング系・環境系・機電系・数理(情報)系・開発系などに細分化。技術系の採用が圧倒的に多い。
勤務地総合職は全国各地・海外(施工管理は全国・海外の建設現場が中心)。専門職は原則として採用拠点(支店)の管下で勤務するエリア型。
選考難易度・特徴スーパーゼネコンの一角で人気・難関。技術系は研究内容と職種の親和性など専門性を重視し、事務系総合職は採用50名程度と少数枠で相対的に難関。採用大学は多様とされ学歴フィルターは断定できないが、大学院・有力大が多い傾向。

採用人数の推移

2027年採用(総合職)350名程度(事務系50・技術系300)
2026年4月入社(実績)事務52名・技術295名(要確認)
構成の傾向技術系が大多数を占めるゼネコン特有の構成

選考フロー

  1. エントリーシート提出
  2. WEBテスト(SPI)
  3. 面接(複数回・一次〜最終)
  4. 内々定(建築設計系は即日設計課題の例も)

ES・自己分析でよく問われること

  • 志望動機(500字程度)

    模範解答(例)

    私が貴社を志望する理由は、高難度の技術で難工事を切り拓き、その技術力を海外・開発事業の収益化へつなげていく「技術立社」としての事業循環に強く共感するからです。私は大学で地盤工学を専攻し、卒業研究では軟弱地盤における構造物の変形挙動をテーマに、現場データと数値解析を突き合わせる作業に取り組みました。理論通りに進まない現実の地盤特性に何度もぶつかりましたが、条件を洗い直し試行を重ねる中で、理論を現場に落とし込む難しさとやりがいを実感し、規模の大きい構造物を通じて社会に貢献したいと考えるようになりました。貴社は1949年にゼネコンで初めて技術研究所を設立し、ダム・原子力施設・トンネルといった高難度工事で培った技術力を、自動化施工技術のような形で次代へ継いでいます。加えて、連結売上の約3分の1を占める海外事業や不動産開発を伸ばし、建設業特有の薄利体質を超える収益基盤を築こうとしている点に、技術を経営に生かす姿勢を感じ、強く惹かれました。入社後はまず施工管理として現場に立ち、難工事を通じて技術力を磨きます。将来的には現場所長として多くの協力会社をまとめる責任を担い、貴社が進める自動化施工や海外プロジェクトにも挑戦し、技術と規模の両面から社会基盤づくりに貢献したいです。

    ※構成の型を示す例です。エピソードは必ず自分の経験に置き換えてください。

  • 自己PR(500字程度)

    模範解答(例)

    私の強みは、立場の異なる関係者を巻き込みながら物事をやり抜くバランス感覚と実行力です。大学3年時、100人規模の学生団体でイベント運営の統括を任されました。当時、企画班と運営班の間で優先順位への認識がずれ、準備が本番2週間前まで停滞するという課題がありました。私は両班のメンバーに個別にヒアリングを行い、対立の背景には情報共有の頻度不足があると突き止め、週2回の進捗共有会と、意思決定を一本化する簡易な承認フローを新たに設けました。あわせて、経験の浅いメンバーには役割を細分化して任せることで、負担の偏りも解消しました。結果として準備は本番1週間前に完了し、当日は例年より多い来場者を集めることができました。この経験から、対立を力で押し切るのではなく、双方の事情をくみ取りながら仕組みで解決する調整力の大切さを学びました。貴社は複数の職種や協力会社が連携する大規模プロジェクトを手がけており、多様な立場をまとめて着実にやり抜く責任感とバランス感覚が強く求められると理解しています。私はこの強みを、現場で多くの人と協働しながら一つの構造物を完成させる仕事で発揮していきたいです。

    ※構成の型を示す例です。エピソードは必ず自分の経験に置き換えてください。

  • 研究内容(技術系)
  • 学生時代に力を入れたこと

    模範解答(例)

    私は大学の研究室活動で、実験精度の改善に地道に取り組んだ経験に力を入れました。所属していた研究室では、担当していた計測実験の結果にばらつきが大きく、先輩の代から精度の課題が引き継がれたまま放置されていました。私は原因を突き止めるため、装置の設置条件や測定手順を一つずつ洗い出し、既存の手順書とにらめっこしながら怪しい工程を10項目ほど洗い出しました。そのうえで、条件を一つずつ固定して比較する地道な検証を2か月間続け、温度管理の甘さが誤差の主因であることを突き止めました。改善策として温度管理の手順を明文化し、後輩にも引き継げる形にまとめた結果、実験のばらつきは大幅に縮小し、研究室全体の実験効率も向上しました。この経験から、派手な成果より地道な原因究明を積み重ねる姿勢の大切さを学びました。貴社が手がけるダムやトンネルのような高難度工事も、日々の地道な検証と改善の積み重ねで成り立っていると理解しています。私はこの粘り強さを、現場や研究開発の実務で発揮していきたいです。

    ※構成の型を示す例です。エピソードは必ず自分の経験に置き換えてください。

選考で聞かれること

  • なぜゼネコン業界を志望するのか

    面接官が見ているポイント

    設計から施工まで一貫して担う請負構造を理解した上で、ものづくりへの本気度を語れるか

  • デベロッパーでなくゼネコンを選ぶ理由

    面接官が見ているポイント

    発注する側ではなく自ら現場に立って作る側を選ぶ覚悟を、業界構造の違いを踏まえて説明できるか

  • 数あるゼネコンでなぜ鹿島か

    面接官が見ているポイント

    大林・清水・大成・竹中との違いを踏まえ、土木の技術ブランドと業界トップ級の海外比率という鹿島の強みを自分の言葉で語れるか

  • 建設現場を見学してどう感じたか

    面接官が見ているポイント

    実際に現場へ足を運んだ経験の有無と、そこでの気づきを志望動機に接続できる解像度があるか

  • 入社後にやりたいこと(200字以内)

    面接官が見ているポイント

    限られた字数でも職種理解に基づく具体像を簡潔にまとめられる要約力があるか

  • 高校時代の部活動での役割(100字)

    面接官が見ているポイント

    短い字数でも組織内での自分の立ち位置を的確に説明できるか

  • 自分の強みと今後の活かし方

    面接官が見ているポイント

    強みを、複数の職種・協力会社が連携する大規模プロジェクトでどう発揮するか具体的に描けているか

  • 現在の研究内容(卒論・修論)

    面接官が見ているポイント

    専門性の深さと、それを分かりやすい言葉で伝えられる説明力があるか

  • 卒業設計で意識したこと

    面接官が見ているポイント

    意匠・構造への向き合い方から、設計に対する自分なりの思想やこだわりが見えるか

  • 研究内容と志望職種の関連性

    面接官が見ているポイント

    研究テーマを施工管理・設計・研究開発など志望職種にどう接続して語れるかという論理性

  • 建設業界の気になるニュース

    面接官が見ているポイント

    建設DXや人手不足など業界の構造課題への当事者意識を持っているか

  • 即日設計課題(建築設計系選考)

    面接官が見ているポイント

    限られた時間で発想をアウトプットに落とし込む、設計職としての実務耐性

  • GDのお題「生成AIの建設業界活用」

    面接官が見ているポイント

    場当たり的な意見でなく、業界構造を踏まえて建設的な議論に貢献できるか

  • 短所・自覚している性格

    面接官が見ているポイント

    自己認識の正直さと、大規模現場でチームに与えうる影響への自覚があるか

  • リーダーシップを発揮した経験

    面接官が見ているポイント

    複数の職種・協力会社が連携する現場で、周囲を巻き込み動かせる力があるか

  • 専攻と建設業志望のつながり

    面接官が見ているポイント

    電気系など専攻が土木・建築と直結しなくても、建設業への本気度を論理的に説明できるか

  • 全国・海外の現場異動への意思

    面接官が見ているポイント

    転勤・現場異動が前提の働き方を、覚悟を持って受け入れられるか

  • 海外で働く意欲はあるか

    面接官が見ているポイント

    連結売上の約3分の1を占める海外事業を担う人材として、グローバルな環境に飛び込む姿勢があるか

  • 合格後・入社後のキャリアプラン

    面接官が見ているポイント

    現場所長という技術系キャリアの到達点まで見据え、長期的な成長意欲を具体的に描けているか

  • 最後に何か質問はありますか

    面接官が見ているポイント

    選考を通じて深めた企業理解を、逆質問という一つの問いに変換できる志望度の高さ

逆質問の例

  • 中期経営計画では海外・不動産開発を成長領域と位置づけていますが、投下資金を回収して再投資するサイクルの中で、若手が海外プロジェクトに関わる機会はどの段階から広がっていくのでしょうか。

    面接官が見ているポイント

    海外事業への熱意と、中期計画を読み込んだ上でキャリアの実像まで確認しようとする準備度を伝える

  • 自動化施工技術「A4CSEL」は現場実装が進んでいると伺いましたが、今後どのような工種・現場から展開を広げていくお考えですか。

    面接官が見ているポイント

    建設DXへの関心の高さと、技術トレンドを踏まえて職種理解を深めようとする姿勢を伝える

  • 技術系のキャリアの到達点の一つが現場所長とのことですが、そこに至るまでに経験する現場の規模や工種にはどのような幅がありますか。

    面接官が見ているポイント

    長期的なキャリア形成への解像度の高さと、腰を据えて成長したいという意欲を示す

  • 2024年問題を踏まえた週休2日相当(4週8閉所)の取り組みは現場によって浸透度に差があると聞きますが、若手が配属される現場ではどの程度浸透していますか。

    面接官が見ているポイント

    働き方の実態を正面から確認する率直さと、長く働き続ける前提でのキャリア観を示す

  • CO2を吸収するコンクリートのような環境技術は、現状は一部の現場での採用にとどまっているのでしょうか、それとも今後標準工法として広げていく計画があるのでしょうか。

    面接官が見ているポイント

    サステナビリティ分野への関心と、技術を事業化まで見通す視点を持っていることを示す

インターンシップ

技術系・事務系のインターンを実施。公式は「参加は任意で選考には関係ない」と明示するが、実際の早期選考への接続は要確認。最新の開催・締切は公式採用ページで確認。

公式採用ページを見る →

鹿島の採用は、総合職(事務系・技術系)と専門職(高卒・専門卒含むエリア型)に分かれ、技術系の採用が大多数を占める。

選考はES・WEBテスト(SPI)から、複数回の面接へと進む。建築設計系では即日設計課題が出る年もある。

  • なぜゼネコン・なぜ鹿島か」を、他社(大林・清水・大成・竹中)との違いを踏まえて語れるようにしておく
  • 技術系は、自分の研究内容と志望職種の親和性を論理的に説明できるようにする
  • 全国・海外の現場や転勤への意思を問われやすいので、自分の考えを整理しておく

よくある質問

鹿島建設の年収・初任給はどのくらいですか?

有価証券報告書による平均年収は約1,180万円台(2025年3月期・平均41.9歳)で、ゼネコンでも業界最高水準です。社員クチコミ(OpenWork)では平均約903万円(体験談)で、設計職が高く事務職が低めなど職種差があり有報値より低く出ます。初任給は大卒月給30万円・修士了32万円(公式・2026年度)です。

鹿島建設の採用倍率・選考難易度は?採用大学は?

スーパーゼネコンの一角で人気・難関です。技術系は研究内容と職種の親和性など専門性を重視し、事務系総合職は採用50名程度と少数枠で相対的に難関とされます。採用大学は多様とされ、明確な学歴フィルターは断定できませんが、大学院・有力大が多い傾向です。

鹿島建設は激務ですか?「2024年問題」とは?

クチコミでは月平均残業が約49〜56時間(媒体・集計時期で差・現場で高い傾向)、有給消化率は約49.5%とされます。建設業特有の長時間労働・転勤が課題に挙げられますが、2024年4月から建設業に時間外労働の上限規制(2024年問題)が適用され、現場の週休2日相当(4週8閉所)など働き方改革に取り組む途上にあります(いずれも体験談・傾向)。

鹿島建設はスーパーゼネコンの中でどんな位置づけですか?

大林組・清水建設・大成建設・竹中工務店と並ぶスーパーゼネコン5社の一角で、連結売上はトップ級(2025年3月期2兆9,118億円・近年3兆円規模に到達)です。特に土木の技術ブランド(ダム・原子力・トンネル)、霞が関ビル以来の超高層建築、海外売上比率の高さ、研究開発力で差別化しています。

鹿島建設の技術系と事務系の違いは?

技術系は土木・建築の施工管理、建築設計、設備、研究開発などで、採用の大多数を占めます。施工管理は全国・海外の建設現場に配属され、キャリアの到達点の一つが現場全体を統括する「現場所長」です。事務系は現場事務から営業・コーポレート・海外へと広がり、「現場所長の右腕」として現場を支えます。

基本情報

上場区分上場(東証プライム・証券コード1812・日経225採用)
グループ鹿島グループ。国内外の関係会社による建設・開発・エンジニアリング・専門工事
創業・設立1840年創業/1930年に株式会社鹿島組として設立
本社東京都港区元赤坂
代表者押味至一(代表取締役会長兼社長/前社長 天野裕正氏の2026年1月死去に伴い兼務)
資本金約814億円
従業員数単体8,854名/連結約19,396名(2025年3月末)
売上高連結2兆9,118億円(2025年3月期・日本基準)。近年3兆円規模に到達
事業領域土木・建築の建設工事請負/都市開発・不動産/エンジニアリング/海外
決算期3月(3月決算)

同業他社と並べて見ると、その会社ならではの強みや立ち位置が浮かび上がります。志望理由づくりの比較材料にどうぞ。

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最終更新: 2026-07-16