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川崎汽船の強み・弱み・将来性を分析【2026年就活】|企業研究・選考対策

川崎汽船の企業分析サムネイル

企業分析・就活ガイド

読了目安 約22

編集部

実は非財閥系だからこそ身軽に動ける会社なんです。3つの強みが1本の線でつながる様子を、本文で見ていきましょう。

就活生

川崎汽船って名前は知っていますが、日本郵船や商船三井と何が違うのか正直よく分かりません…。

編集部

実は3社の中で唯一、財閥グループの後ろ盾を持たない独立系なんです。この身軽さが強みに直結している会社なので、3分で正体を掴んでいきましょう。

結論から言うと、川崎汽船は自動車船世界4位という専用船の実力と、コンテナ船事業を統合した「ONE」への31%出資という再編の勝ち筋を武器にする、非財閥系の海運会社である。

業界の基礎

就活生

海運業界って商社と何が違うんでしょうか…? 船を持っている会社、というイメージしかありません。

編集部

ポイントは「荷物そのものを運ぶ運送業」だということです。商社が貿易の取引を仲介するのに対し、海運会社は自ら船を保有・運航して運賃を得ます。ここを軸にすると業界の骨格が見えてきますよ。

海運業は、鉄鉱石・石炭などの資源、自動車、LNG(液化天然ガス)といった貨物を、船舶で世界中に輸送し運賃を得る業界である。

日本には「海運大手3社」と呼ばれる企業がある。日本郵船・商船三井・川崎汽船である。

3社はかつてコンテナ船(定期船)事業でしのぎを削っていたが、2018年に事業を統合し「ONE(Ocean Network Express)」という共同出資会社に集約した。

その中で川崎汽船は、3社で唯一、財閥グループを持たない独立系企業という立ち位置にある。

日本郵船は三菱グループの源流企業、商船三井は三井・住友の流れを汲む一方、川崎汽船は1949年の財閥解体で川崎造船所(現・川崎重工業)との資本関係を解消し、以来独立した上場企業として歩んできた。

  • 最大手・総合型: 日本郵船(自動車船・不動産・クルーズまで最も幅広く多角化)
  • 多角化志向: 商船三井(不動産・クルーズ・フェリー等に積極投資)
  • 独立系・専用船特化: 川崎汽船(ドライバルク・エネルギー・自動車船のコア事業に集中)

事業内容

川崎汽船の事業内容: ドライバルクセグメント、エネルギー資源セグメント、製品物流セグメント(自動車船等)、コンテナ船事業(ONE経由)

ビジネスモデル

ドライバルク船・エネルギー輸送船(LNG船等)・自動車船といった専用船を保有・運航し、荷主から輸送運賃を得るのが基本モデル。かつて収益の柱だったコンテナ船(定期船)事業は2018年に日本郵船・商船三井と統合してONE(Ocean Network Express)に集約し、いまは31%出資する持分法適用会社としての持分法投資利益・配当が業績の重要な柱になっている。

  • ドライバルクセグメント

    鉄鉱石・石炭・穀物・木材チップ等の乾散貨物を運ぶ不定期船事業。世界的に船隊規模の大きい分野の一つ。

    鉄鉱石専用船石炭専用船穀物船
  • エネルギー資源セグメント

    LNG船・油槽船・LPG船に加え、ドリルシップ・FPSO等の海洋事業、洋上風力発電支援船事業、液化CO2輸送事業などエネルギー関連の専用船群を担う。

    LNG船油槽船液化CO2輸送船洋上風力支援船
  • 製品物流セグメント(自動車船等)

    自動車専用船(PCC)事業が中核。1970年に日本初の自動車専用船を投入したパイオニアで、保有隻数は世界4位。近海・内航、物流事業も含む。

    自動車専用船近海・内航船物流サービス
  • コンテナ船事業(ONE経由)

    定期コンテナ船事業は2018年に日本郵船・商船三井と統合しONE(Ocean Network Express)へ集約。川崎汽船は31%出資の持分法適用関連会社として持分法投資利益・配当を得る。

    ONE (Ocean Network Express)

川崎汽船は、ドライバルク船・エネルギー輸送船(LNG船等)・自動車船といった専用船を保有・運航し、荷主から輸送運賃を得るのが基本モデルである。

かつて収益の柱だったコンテナ船事業は、2018年に日本郵船・商船三井と統合し「ONE」に集約した。いまは31%出資する持分法適用会社としての持分法投資利益・配当が、業績を大きく左右する構造になっている(各セグメントの詳細は上の事業カードを参照)。

この会社の強み

川崎汽船の強み: 自動車船世界4位の輸送パイオニア、ONE31%出資という再編の勝ち筋、海運3社随一の財務健全性、脱炭素の複線同時投資、海運超えの海洋事業ポートフォリオ
  1. 自動車船世界4位の輸送パイオニア

    自動車専用船(PCC)の保有隻数は2025年5月時点で世界4位(87隻・隻数シェア11.4%・キャパシティシェア11.6%)。1970年に日本初の自動車専用船「第十とよた丸」を投入したパイオニアで、2019年に「ふね遺産」認定を受けた。

  2. ONE31%出資という再編の勝ち筋

    2017年のコンテナ船事業統合で日本郵船・商船三井とともにONE(Ocean Network Express)へ集約し31%出資(持分法適用関連会社)。2025年3月期は持分法投資利益が牽引し経常利益3,081億円を計上した。

  3. 海運3社随一の財務健全性

    自己資本比率は74.6%(2025年3月期末)から76.9%(2026年3月期末)へさらに改善し、有利子負債は2,960億円まで圧縮。2025年3月期の営業利益率9.8%は海運大手3社で最高水準にある。

  4. 脱炭素の複線同時投資

    風力推進「Seawing」(仏子会社OCEANICWING S.A.S.が2024年2月に事業承継)でGHG排出量約20%削減を狙い、伊藤忠商事等6社体制でアンモニア燃料船を共同開発(2028年実用化目標)。2025年6月にはバイオLNG燃料自動車船「OCEANUS HIGHWAY」が運航を開始した。

  5. 海運超えの海洋事業ポートフォリオ

    ノルウェーのCCSプロジェクト「Northern Lights」向け液化CO2輸送船3隻の運航・船舶管理を担い、世界初の本格的CO2回収プロジェクト輸送を実現。洋上風力支援船会社"K"Line Wind Serviceは2026年3月31日付で完全子会社化した。

就活生

川崎汽船の強みって「船をたくさん持っている」ということですよね…?

編集部

そこはスタート地点にすぎません。本当の強みは、専用船の実力とONEへの再編判断を両輪に、「コア事業を絞り込み、浮いた体力を環境技術と財務健全性に振り向ける」という身軽さにあります。ここを語れる就活生は一気に差がつきます。

5つの強みは個別の実績に見えて、実は一つの思想でつながっている。

自動車船で世界4位という専用船の実力(①)と、コンテナ船事業をONEへ集約した再編判断(②)によって、川崎汽船は事業領域を絞り込んだ。

その結果生まれた財務的な余裕(③自己資本比率76.9%)を、Seawingやアンモニア燃料船といった環境技術(④)や、CCS輸送・洋上風力といった新領域(⑤)への先行投資に振り向けている。

業績の推移(経常利益)

6,908億2023/3期1,350億2024/3期3,081億2025/3期1,091億2026/3期1,000億(予想)2027/3期
経常利益(連結・日本基準)。海運業は市況変動が大きく、売上高よりも経常利益の振れ幅の方がはるかに大きい。2024年3月期はコンテナ船市況の正常化でONEからの持分法投資利益が急減し前期比8割減となったが、2025年3月期は紅海情勢の緊迫化による船腹需給の引き締まりで急回復した(売上高・営業利益・純利益は本文の表を参照)。

海運業は市況変動が大きく、売上高より経常利益・純利益の振れ幅がはるかに大きいのが特徴だ。

決算期売上高営業利益純利益
2023年3月期9,426億円789億円6,949億円
2024年3月期9,579億円842億円1,020億円
2025年3月期10,479億円1,028億円3,054億円
2026年3月期10,183億円842億円1,330億円

2024年3月期はコンテナ船市況の正常化でONEからの持分法投資利益が急減し、経常利益は前期比8割減となった。2025年3月期は紅海情勢の緊迫化でスエズ運河の迂回(喜望峰経由)が広がり船腹需給が引き締まったことで急回復している。

競合の中での立ち位置

川崎汽船 のポジショニングマップ
海運・物流業界マップ(2軸で見る)

同じ海運大手でも、各社の戦い方は大きく異なる。

会社タイプ川崎汽船との違い
川崎汽船独立系・専用船特化財閥の後ろ盾を持たず、ドライバルク・エネルギー・自動車船のコア事業に集中
日本郵船三菱系・総合型自動車船・不動産・クルーズ・航空まで最も幅広く多角化。売上規模は3社中最大
商船三井独立系・多角化志向不動産・クルーズ・フェリー等の非海運事業に積極投資し、2035年に海運:非海運=60:40を目指す
ONEコンテナ船特化JV3社が定期船事業を統合した共同出資会社。川崎汽船は31%出資の持分法適用会社として関与

規模では日本郵船・商船三井に劣るが、自己資本比率76.9%・営業利益率9.8%という財務健全性では3社トップにある。これが、身軽な独立系企業ならではの立ち位置だ。

今後の展望

川崎汽船の数値目標(2026年度(中計))

ビジョン

2022年度中期経営計画(2022〜2026年度)

経常利益目標2026年度1,400億円・ROE10%以上の持続的達成を掲げる。低炭素・脱炭素化への貢献を成長戦略の中心に据え、5年間で5,200億円を投資する計画。2025年3月期はコンテナ市況の追い風もありROE18.2%と目標を上回る実績を記録した。

数値目標

経常利益(2026年度(中計))1,400億円
ROE(持続的目標(中計))10%以上
累計投資額(22〜26年度(中計))5,200億円
経常利益(2027年3月期(予想))1,000億円

注力施策

  • 脱炭素燃料船への複線投資

    風力推進「Seawing」でGHG排出量約20%削減を狙い、伊藤忠商事等6社体制でアンモニア燃料船を共同開発(2028年実用化目標)。バイオLNG燃料自動車船「OCEANUS HIGHWAY」は2025年6月に運航を開始した。

  • 海洋事業・CCS輸送への参入

    ノルウェーのCCSプロジェクト「Northern Lights」向けに液化CO2輸送船3隻の運航・船舶管理を担い、世界初の本格的CO2回収プロジェクト輸送を実現した。

  • 洋上風力発電支援船事業の強化

    川崎近海汽船との合弁で設立した"K"Line Wind Serviceを2026年3月31日付で完全子会社化し、洋上風力発電向け作業船事業を強化する。

  • ONEとの安定収益構造の維持

    コンテナ船事業をONEに集約し31%出資する体制を継続。市況変動の影響を受けつつも、持分法投資利益・配当を通じた収益源として位置づける。

ロードマップ

  1. 1919

    川崎造船所(現・川崎重工業)の現物出資で川崎汽船株式会社を設立

  2. 1921

    川崎造船所・川崎汽船・国際汽船の3社提携で「Kライン」を結成(社名の由来)

  3. 1949

    財閥解体により川崎造船所との資本関係を解消し独立の別法人に

  4. 1970

    日本初の自動車専用船「第十とよた丸」を投入

  5. 2017

    日本郵船・商船三井とコンテナ船事業統合を発表、ONE設立へ

  6. 2018/4

    ONE(Ocean Network Express)が営業開始。コンテナ船事業をONEへ統合

  7. 2021/4

    川崎近海汽船との合弁で洋上風力支援船会社"K"Line Wind Serviceを設立

  8. 2025/6

    バイオLNG燃料自動車船「OCEANUS HIGHWAY」が運航を開始

川崎汽船の将来性を読むうえで核になるのは、市況変動にどう向き合うかという一点だ。

2022年度中期経営計画では、2026年度に経常利益1,400億円・ROE10%以上の持続的達成を掲げる。低炭素・脱炭素化への貢献を成長戦略の中心に据え、5年間で5,200億円を投資する計画だ。

Seawing・アンモニア燃料船・CCS輸送・洋上風力支援船といった新領域への複線投資は、いずれも「市況の波に左右されにくい収益源をどう積み上げるか」という同じ課題への答えとして読むと筋が通る。ONEからの持分法投資利益に依存する構造から、専用船事業と新領域投資で収益基盤を厚くできるかが、この会社の今後を占う。

こんな人にピッタリ

川崎汽船が合う人・合わない可能性がある人の早見表

海運3社の中でも独立系ならではの身軽さを武器に、専用船事業や脱炭素の最前線(風力推進船・アンモニア燃料船等)で挑戦したい人に向く。

  • グローバルに、海外と接点の多い仕事をしたい

    貨物のほぼ全量が貿易物資で、若手のうちから海外駐在の機会もある川崎汽船が合う

  • 財閥の看板より自分たちで新しいビジネスを切り拓きたい

    非財閥系で「自主独立・自由闊達・進取の気性」を掲げる川崎汽船の社風が向く

  • 脱炭素・環境技術の最前線(風力推進船・アンモニア燃料船等)に関わりたい

    Seawingやアンモニア燃料船の共同開発で業界に先行投資する川崎汽船の強みが活きる

逆に合わない可能性がある人

志望度を上げる前に、入社後のギャップになりやすい観点も確認しておきたいポイントです。

  • 業界最大手の規模やブランド力、財閥グループの後ろ盾を重視する

    川崎汽船は海運3社の中で売上規模が最も小さいため、規模を最優先するなら日本郵船の方が合う場合があります。

  • 不動産・クルーズ・航空など非海運の多角事業に幅広く携わりたい

    川崎汽船はドライバルク・エネルギー・自動車船など海運のコア事業に集中する色が強いため、多角化する日本郵船・商船三井の方が合う場合があります。

  • 市況変動の少ない安定した業績・報酬を最優先したい

    海運業は市況連動で業績・賞与の振れ幅が大きい傾向があり、年によっては物足りなさや不安を感じる可能性があります。

求める人物像

  • 自主独立の気概

    「自分がなんとかする」という責任感・使命感を持ち、大きな裁量のある仕事に主体的に取り組める人。"K"LINEスピリットの一つとして公式に掲げられている。

  • 自由闊達に意見を発信する姿勢

    年次や経験にかかわらず、若手から役員まで意見を発信することが歓迎される社風。個性を尊重し、ボトムアップでビジネスを展開する文化に合う人。

  • 進取の気性・挑戦する意欲

    顧客課題に迅速に対応し、他社に先駆けて新しいサービスを生み出す姿勢。風力推進船やアンモニア燃料船など、自由な発想での新たな挑戦を評価する社風。

  • 多様性を尊重し公正に事業に取り組む姿勢

    「多様な価値観の受容と公正な事業活動」を経営理念の一つに掲げる。海外拠点・海外駐在も多く、異文化理解の姿勢が活きる。

入社後のキャリアパス

  1. 育成期(入社〜約10年)

    営業・運航管理・事業管理・コーポレート関連から最低3部署を経験する(目安3〜5年ごとに異動)。トレーナー/トレーニー制度で新入社員に1年間先輩が伴走し、海運業の基礎を築く。海外勤務の機会もある。

  2. マネジメント力養成期

    ユニット間異動や海外勤務を通じて、管理職候補としての適性を養う段階。

  3. キャリア熟成期

    特定分野で高度に貢献する管理職として活躍する段階。海上職は船長・機関長を目指す専門性重視のキャリアを歩む。

陸上総合職は入社後、営業・運航管理・事業管理・コーポレート関連から最低3部署を経験するジョブローテーションが基本設計になっている(目安3〜5年ごとに異動)。トレーナー/トレーニー制度で新入社員に1年間先輩が伴走し、海運業の基礎を築く。

海上職(航海士・機関士)は、操船シミュレーター等の研修を経て乗船し、船長・機関長を目指す専門性重視のキャリアを歩む。陸上総合職でも「乗船研修」があり、実際の船に乗って現場理解を深める、海運業特有の制度がある。

年収・待遇

初任給・平均年収は公式(有価証券報告書・募集要項)値と、OpenWork等の社員クチコミ(体験談)ベースの数値を出典を分けて整理する(2026年8月時点)。海運業は市況連動で賞与の年度差が大きい点に注意。

初任給

総合職(陸上職・大卒/院卒共通、公式)月額334,700円(基本給)
自社養成海上職(養成期間中、公式)月額307,300円

平均年収(出典別)

公式(有価証券報告書・2026年3月期)約1,450万円(平均年齢38歳・平均勤続13.4年)
OpenWorkクチコミ(体験談)約921万円(回答者68名)。有報値との差は業績連動賞与や回答者の年齢構成の違いが主因

年次・役職別の目安

総合職(OpenWorkクチコミ・体験談)約1,060万円が目安
管理職(OpenWorkクチコミ・体験談)約976万円が目安
営業職(OpenWorkクチコミ・体験談)約865万円が目安

待遇の特徴

  • 賞与は年2回(7月・12月、公式)
  • 独身寮・住宅補助(クチコミでは年次・家族構成により月3万〜11万円程度との報告)・持株制度・年間7日の連続休暇制度など福利厚生が手厚いという声
  • 海運業は市況連動で賞与の年度差が大きく、例えば経常利益は2024年3月期1,350億円→2025年3月期3,081億円と急回復するなど、業績変動が年収にも反映される傾向がある

社員のリアルな評判

公式情報だけでは見えにくい、現役・元社員の声から見た実態です(OpenWork・転職会議・エンカイシャ等の社員クチコミ) 「海運大手3社の一角として様々な船種に携われる」「風通しの良さ」を評価する声が多い一方、職種(海上職/陸上職)による労働負荷の差や、人事評価の納得感に課題を挙げる声も共存する(いずれもクチコミ・傾向)。

月平均残業(OpenWorkクチコミ)約45.5時間(部署差あり)
有給休暇消化率(OpenWorkクチコミ)約66.9%
総合評価スコア(OpenWorkクチコミ)3.98/5.0

評価する声

  • 海運大手3社の一角として、ドライバルク・エネルギー・自動車船など様々な船種に携われるという声
  • 風通しの良さ・社員同士の相互尊重を評価する声が多い(OpenWorkクチコミで4.2/5.0)
  • 独身寮・住宅補助・年間7日の連続休暇制度など福利厚生が手厚いという声

気になる声

  • 海上職(航海士等)は長期の乗船勤務が前提で、陸上職と比べ拘束時間が長いとの声がある
  • 人事評価の納得感はOpenWorkクチコミで相対的に低い評価(2.6/5.0)があり、評価制度の透明性に課題を感じる声がある
  • 実力主義や経営の意思決定スピードにやや保守的との指摘があり、同業2社の後追いと感じる声もある

就活生

実際、川崎汽船って激務ですか…? 海運業って市況で振り回されるイメージもあって不安です…。

編集部

正直に答えると、陸上職の残業はOpenWorkクチコミで月平均約45.5時間、有給消化率は約66.9%です。一方で海上職は長期の乗船勤務が前提で、拘束時間は陸上職より長い傾向にあります。市況連動で業績・賞与が年度によって大きく振れるのも事実で、そこは正直に受け止めておくべきポイントです。

「海運大手3社の一角として様々な船種に携われる」「風通しの良さ」を評価する声が多い一方、人事評価の納得感や実力主義の浸透度合いに課題を挙げる声もある(クチコミ・傾向)。腰を据えて市況産業の波を面白がれる人には好相性、安定した報酬を最優先したい人は要確認だ。

沿革

川崎汽船は1919年、川崎造船所(現・川崎重工業)が保有する汽船11隻を現物出資し、資本金2,000万円で設立されたのが始まりである。

1921年には川崎造船所・川崎汽船・国際汽船の3社提携で「Kライン」を結成し、これが現在の社名の由来になった。

就活で混同されやすいのが「川崎重工業」だが、両社は現在まったく別の資本関係にある会社だ。1949年の財閥解体で川崎造船所との資本関係を解消し、以来独立した上場企業として歩んできた。

採用・選考

川崎汽船の選考フロー
締切要確認(最新は公式採用ページ kline-recruit.jp で確認)
募集職種・コース陸上総合職(航路運営・運航管理・集荷営業・港湾管理・企画・法務保険・経理財務・造船計画等、全学部・全学科対象)と、海上職(航海士・機関士。商船大学・商船高専卒業者向けルートと、4年制大学・大学院・高専卒業見込み向けの自社養成コースの2ルート)の2区分
勤務地本社(東京都千代田区内幸町)ほか国内外の事業所(陸上職)/ワールドワイド〔極海を除く〕での乗船勤務に加え国内外事業所での陸上勤務期間もある(海上職)
選考難易度・特徴就活メディアの「入社が難しい有名企業ランキング」(東洋経済オンライン・2023年)で47位という報道がある(非公式)。採用人数は2021年度約43名→2022年度約42名→2023年度約60名と増加傾向にある(媒体集計)。明確な学歴フィルターの公式言及はないが、クチコミでは慶應義塾大学・早稲田大学等からの採用実績が比較的多いと報告されている(非公式)。

採用人数の推移

2021年度約43名
2022年度約42名
2023年度約60名
2027年卒予定陸上総合職 約40名(募集予定)

選考フロー

  1. エントリーシート(ES)提出
  2. Webテスト(玉手箱等)
  3. 一次面接(オンライン)
  4. グループディスカッション
  5. 二次面接
  6. 最終面接(合格で内々定)

選考で聞かれること

  • なぜ海運業界なのか

    面接官が見ているポイント

    商社や他のインフラ業界ではなく海運という川上物流を選ぶ動機の本気度を、業界研究の深さから測れているか

  • 大手海運3社の中でなぜ川崎汽船か

    面接官が見ているポイント

    日本郵船・商船三井という規模で勝る同業2社と比較したうえで、非財閥系で自動車船・エネルギー輸送に強みを持つ川崎汽船を選ぶ必然性を語れているか

  • 川崎汽船で成し遂げたいことは

    面接官が見ているポイント

    自動車船やエネルギー輸送など同社の事業領域を理解したうえで、自身のキャリアビジョンと接続できているか

  • 志望動機を100字で説明して

    面接官が見ているポイント

    ES実物設問(志望理由100字以内)。限られた字数で企業理解と自己の接続を過不足なく圧縮できる論理構成力があるか

  • 学生時代に最も力を入れた研究内容は

    面接官が見ているポイント

    ES実物設問。専門性の深さと学びへの動機を筋道立てて説明できるか

  • 航海士・機関士として活かせる強みは

    面接官が見ているポイント

    海上職向けES実物設問。長期の乗船勤務という特殊な労働環境に自身の強みをどう接続できるか、海上職への適性理解があるか

  • 就職活動の軸は何か

    面接官が見ているポイント

    志望動機と合わせて聞かれやすい設問。軸の一貫性から企業選びが場当たり的でないかを見ているか

  • 他の海運会社の選考状況は

    面接官が見ているポイント

    大手3社の選考状況をかなり深く聞かれるとされる同社特有の質問。志望度の本気度を併願先の進捗状況から逆算して見極めているか

  • グループディスカッションでの役割は

    面接官が見ているポイント

    一次・二次面接の間に課されるGD選考。役割を固定せず状況に応じて議論に貢献できる柔軟性があるか

  • 挫折した経験と乗り越え方は

    面接官が見ているポイント

    困難への向き合い方から、長期の乗船勤務や海外駐在などストレス耐性が求められる環境への適性を見ているか

  • 集団の中での自分の役割は

    面接官が見ているポイント

    リーダーか調整役かを問い、多様な専門性を持つ社員と協業する海運ビジネスでの協働スタイルを見ているか

  • TOEICなど英語学習の動機は

    面接官が見ているポイント

    海外拠点・国際プロジェクトが多い同社でのグローバル適性を、語学学習の主体性と継続性から判断しているか

  • 海外や異文化との接点は

    面接官が見ているポイント

    多様性の尊重を掲げる人物像に照らし、異文化理解の実体験の有無と深さを見ているか

  • 海運業界の今後の課題は

    面接官が見ているポイント

    脱炭素対応や国際情勢リスクなど業界構造への理解度と、それを自分ごととして考えられているか

  • 川崎汽船の環境対策への取り組みをどう見るか

    面接官が見ているポイント

    風力推進船やアンモニア燃料船で先行投資する同社の強みを、時事的な業界動向と合わせて説明できるか

  • 将来のキャリアプランは

    面接官が見ているポイント

    複数部署を経験するジョブローテーション制度を前提に、長期的な成長意欲と定着志向があるか

  • 海外駐在や転勤は可能か

    面接官が見ているポイント

    陸上勤務でも海外拠点への異動があり得る同社の働き方への覚悟と柔軟性を確認できているか

  • 最後に何か質問はあるか

    面接官が見ているポイント

    逆質問の中身から入社意欲の高さと、事業領域への企業研究の深さを測れているか

  • ONEへの事業統合をどう見るか

    面接官が見ているポイント

    日本郵船・商船三井と共同でコンテナ船事業をONE(Ocean Network Express)に統合した経緯を理解し、同社が今どの事業に注力しているかを説明できるか

  • 業界内での川崎汽船の強みは

    面接官が見ているポイント

    自動車船・エネルギー輸送・ドライバルク船といった同社が強みを持つ事業領域を、競合2社との違いとして具体的に語れているか

インターンシップ

陸上総合職向けに冬季「"K"LINE Career University Advanced」(2日間、ワーク・ケーススタディ形式)と夏季「Basic」(オンライン・対面)がある。選考直結の公式明言はないが、参加者の80.2%が「志望度が上がった」と回答している(自社調査)。最新の時期・形式は公式マイページで確認。

公式採用ページを見る →

川崎汽船は「陸上総合職」と「海上職(航海士・機関士)」の2区分で採用している。陸上職は全学部・全学科対象、海上職は商船大学・商船高専卒業者向けのルートと、大学・大学院・高専卒業見込み向けの自社養成コースがある。

  • 「なぜ海運業界か」「大手3社の中でなぜ川崎汽船か」を、非財閥系という独自の立ち位置まで踏み込んで語れるようにしておく
  • ONE(Ocean Network Express)への事業統合の経緯と、いまの川崎汽船がどの事業に注力しているかを整理しておく
  • 他の海運会社の選考状況をかなり深く聞かれる傾向があるとされるため、志望度の一貫性を持って答えられるようにしておく

よくある質問

川崎汽船の年収・初任給はどのくらいですか?

有価証券報告書による平均年収は約1,450万円(2026年3月期・平均年齢38歳・平均勤続13.4年)、社員クチコミベースでは約921万円(OpenWork・回答者68名・体験談)です。初任給は総合職(陸上職)で月額334,700円(基本給、大卒・院卒共通)とされています。海運業は市況連動で賞与の年度差が大きい点に注意が必要です。

川崎汽船の採用倍率・選考難易度は?

公式な倍率の開示はありませんが、就活メディアの推計では「入社が難しい有名企業ランキング」(東洋経済オンライン・2023年)で47位に挙げられています(非公式)。採用人数は2021年度約43名→2022年度約42名→2023年度約60名と増加傾向にあります(媒体集計)。

川崎汽船に学歴フィルターはありますか?

学歴フィルターの有無を明示する公式情報はありません。就活メディアのクチコミ集計では慶應義塾大学・早稲田大学等からの採用実績が比較的多いと報告されていますが、採用人数自体が少数のため特定校への偏りと断定はできません(非公式)。

川崎汽船は激務ですか?「やばい」と言われるのはなぜですか?

陸上職の月平均残業はOpenWorkクチコミで約45.5時間、有給消化率は約66.9%とされます。一方で海上職(航海士等)は長期の乗船勤務が前提で、陸上職より拘束時間が長いとの声もあります。海運業は市況変動が大きく、業績・賞与の振れ幅の大きさを「やばい」と感じる文脈で語られることもあるようです。

川崎汽船のインターンは選考に有利ですか?

陸上総合職向けに冬季「"K"LINE Career University Advanced」(2日間)、夏季「Basic」(オンライン・対面)があります。選考直結・優遇の公式明言はありませんが、参加者の80.2%が「志望度が上がった」と回答しています(自社調査)。最新の時期・形式は公式マイページで確認してください。

基本情報

上場区分上場(東京証券取引所プライム市場・証券コード9107)
グループ独立系(親会社なし)。川崎近海汽船(近海・内航)等を子会社に持つ。コンテナ船事業はONE(Ocean Network Express、持分法適用31%出資)に集約
創業・設立1919年(大正8年)4月5日
本社東京都千代田区内幸町二丁目1番1号(飯野ビルディング)。登記上の本店は神戸市中央区海岸通8番
代表者五十嵐武宣(代表取締役社長。2025年3月28日就任)
資本金754億5,764万円(2025年6月30日時点)
従業員数単体964名〔陸員745名・海員219名〕、連結5,783名(2025年6月30日時点)
売上高連結1兆183億円(2026年3月期)
事業領域ドライバルク船・エネルギー資源(LNG船等)・製品物流(自動車船等)の海上運送業を中心とする物流事業

同業他社と並べて見ると、その会社ならではの強みや立ち位置が浮かび上がります。志望理由づくりの比較材料にどうぞ。

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最終更新: 2026-08-04