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【2026最新】富士フイルムの就活企業分析|事業・強み・選考対策

富士フイルムの企業分析サムネイル

企業分析・就活ガイド

まとめ

写真フィルム市場の崩壊(ピーク比約10分の1)を、フィルムで培った化学・材料技術の転用で乗り越えた総合テクノロジー企業。現在はヘルスケア(医療機器・バイオCDMO)・エレクトロニクス(半導体材料)・イメージング(チェキ・デジカメ)を柱に、HD連結で売上3兆3,570億円・営業利益3,502億円(2026年3月期)と売上4期連続・営業利益5期連続の過去最高を更新中。

基本情報

上場区分非上場(親会社・富士フイルムホールディングスが東証プライム上場・証券コード4901)
グループ富士フイルムHD傘下の中核事業会社。傘下に富士フイルムメディカル・富山化学・エレクトロニクスマテリアルズ・FUJIFILM Diosynth等。兄弟会社に富士フイルムビジネスイノベーション
創業・設立創業1934年1月(富士写真フイルム創立)/現法人は2006年10月設立(持株会社制移行に伴う事業継承)
本社東京都港区赤坂(東京ミッドタウン)
代表者後藤禎一(代表取締役社長・CEO。HD社長を兼任)
資本金400億円(2026年3月時点)
従業員数単体5,654名・連結40,428名(2026年3月時点・正社員)
売上高HD連結3兆3,570億円(2026年3月期・米国基準)
事業領域ヘルスケア/エレクトロニクス(半導体材料等)/イメージング

業界の基礎

カメラ・精密機器業界には、2000年代に共通の危機が訪れた。

デジタル化による写真フィルム市場の崩壊である。富士フイルムの場合、2000年をピークに約10年で市場が10分の1へ縮小した。当時、写真関連は売上の6割・利益の3分の2を占めていた。

この「本業消失」にどう答えたかで、各社の現在地は大きく分かれた。

  • 富士フイルム: フィルムの化学・材料技術を医療・バイオ・半導体材料へ転用し、売上3.36兆円・営業利益3,502億円(2026年3月期)の総合テクノロジー企業へ
  • コニカミノルタ: 2006年にカメラ・フォト事業から撤退(一眼レフ資産はソニーへ譲渡)。現在は売上1.09兆円で構造改革中
  • キヤノン・ニコン: 光学・精密機器の本流を維持。キヤノンは事務機が売上の約54%、ニコンは2026年3月期に大幅赤字
  • オリンパス: カメラ事業を2021年に譲渡し、内視鏡中心のメドテック専業へ

同じスタート地点から20年で営業利益に約7倍の差(対コニカミノルタ)がついた「フィルム後の明暗」は、経営学の教材としても語られる事例である。

事業内容

富士フイルムの事業内容: ヘルスケア、エレクトロニクス、イメージング、(兄弟会社)ビジネスイノベーション

ビジネスモデル

写真フィルムで培ったコア技術(コラーゲン・ナノ分散・精密塗布・画像処理)を医療・バイオ医薬・半導体材料へ転用する技術転用型モデル。HDの4セグメントのうち、富士フイルム株式会社はヘルスケア・エレクトロニクス・イメージングの3つを担う(複合機のビジネスイノベーションは兄弟会社)。

  • ヘルスケア

    HD売上の約33%(1兆989億円)。内視鏡・X線・医用ITシステム「SYNAPSE」のメディカルシステムと、抗体医薬等の開発製造を受託するバイオCDMO(FUJIFILM Diosynth)、医薬品・化粧品が柱。

    SYNAPSEFUJIFILM Diosynth Biotechnologies富士ドライケムアスタリフト
  • エレクトロニクス

    HD売上の約14%(4,562億円)だが営業利益は前期比+34.4%と最大の増益ドライバー。先端フォトレジスト・CMPスラリー・先端パッケージ材料などAI半導体需要を捕捉する。

    フォトレジストCMPスラリー液型ポリイミド
  • イメージング

    HD売上の約19%(6,271億円)ながら営業利益1,600億円・利益率25.5%で全セグメント首位。チェキ「instax」とX・GFXシリーズのデジタルカメラが世界的に好調。

    instax(チェキ)XシリーズGFXシリーズ
  • (兄弟会社)ビジネスイノベーション

    HD売上の約35%(1兆1,748億円)を占める複合機・オフィスソリューション事業。担うのは兄弟会社の富士フイルムビジネスイノベーション(旧富士ゼロックス)で、富士フイルム株式会社の事業ではない。

    複合機Revoria PressDXソリューション

富士フイルムのビジネスモデルは一言でいえば「技術転用」だ。

写真フィルムは、コラーゲン(フィルムの主原料)・ナノ分散・精密塗布・画像処理など高度な化学・材料技術の塊である。

この技術資産を「写真以外」に振り向けた結果が、現在の事業ポートフォリオになっている。

なおグループ構造に注意したい。上場しているのは持株会社の富士フイルムホールディングス(4901)で、その下に2つの事業会社がある。

  1. 富士フイルム株式会社(本記事の対象): ヘルスケア・エレクトロニクス・イメージングを担う
  2. 富士フイルムビジネスイノベーション(旧富士ゼロックス): 複合機・オフィスソリューション。別採用の兄弟会社

3つの事業の現在地(2026年3月期・HD連結)

  1. ヘルスケア(売上1兆989億円): 内視鏡・X線・医用ITシステム「SYNAPSE」と、製薬会社から抗体医薬等の開発製造を受託するバイオCDMOが柱。売上は3年連続1兆円超だが、米新工場の先行投資で利益は一時的な減益局面にある。
  2. エレクトロニクス(売上4,562億円): 半導体材料が主役。営業利益は**前期比+34.4%**と全社最大の増益ドライバーで、AI半導体需要を材料面から捕捉する。
  3. イメージング(売上6,271億円): チェキ「instax」とX・GFXシリーズのデジカメ。営業利益1,600億円・利益率25.5%は全セグメント首位で、実は現在の最大の稼ぎ頭である。

「祖業が消えた会社」でありながら、写真の遺伝子(化学×画像)があらゆる事業の底に流れているのが富士フイルムの面白さだ。

この会社の強み

富士フイルムの強み: バイオCDMOを支える垂直統合、半導体材料の「世界トップ×一気通貫」、AI時代のコールドデータを磁気テープで、写真のコラーゲン技術がiPS細胞へ、instax累計1億台の利益エンジン
  1. バイオCDMOを支える垂直統合

    培地世界大手の米Irvine Scientificを約8億ドルで買収し、培養〜精製の連続生産システム(独自細胞株ApolloX・自動精製装置SymphonX)まで内製。米ノースカロライナ工場で2万L培養タンク8基が稼働し、2030年度売上7,000億円を目指す

  2. 半導体材料の「世界トップ×一気通貫」

    先端フォトレジスト用NTI現像液と銅配線用CMPスラリーで世界トップシェア(決算短信に明記)。EntegrisからCMC Materials KMGを7億ドルで買収し高純度プロセスケミカルまで獲得、Rapidusにも50億円出資

  3. AI時代のコールドデータを磁気テープで

    LTOデータテープで世界シェア首位とされ(報道ベース)、大手クラウドのアーカイブ基盤に採用。IBMと1巻580TB記録を実証し、HDD比で消費電力・CO2を大幅削減する「古くて最先端」の事業を持つ

  4. 写真のコラーゲン技術がiPS細胞へ

    フィルムで培ったコラーゲン技術からリコンビナントペプチド「cellnest」を製品化し、米Cellular Dynamics買収でiPS細胞の大量生産技術を獲得。Novo Nordisk等と細胞治療のライセンス契約を結ぶ

  5. instax累計1億台の利益エンジン

    チェキ(instax)は累計販売1億台を突破。イメージング事業は営業利益1,600億円・利益率25.5%と連結営業利益の半分近くに相当する最大の利益柱で、フィルム生産設備の増強投資も続く

「フィルムからヘルスケアへ転換した会社」という教科書的な説明の一層下に、富士フイルムが異常に投資している領域がある。

① バイオCDMOを支える「培地から精製まで」の垂直統合

バイオCDMO(医薬品の受託開発製造)は累計1兆円超を投じる最大の賭けで、ロンザ・サムスンバイオロジクスを追う世界大手の一角だ。

勝ち筋は工場の規模だけではない。細胞培養に不可欠な培地で世界大手の米Irvine Scientificを約8億ドルで買収し、原材料から内製できる体制を持つ。

さらに培養〜精製をつなぐ連続生産システム(独自細胞株ApolloX・自動連続精製装置SymphonX)を業界に先がけて開発した。

米ノースカロライナ工場では**2万Lの動物細胞培養タンク8基が2025年に稼働を始め、2028年度には北米最大級の抗体医薬一貫製造サイトになる計画。2030年度の売上目標は7,000億円**である。

② 半導体材料の「世界トップ品目×一気通貫」

先端フォトレジスト用のNTI現像液と銅配線用CMPスラリーで世界トップシェアを持つ(決算短信に自社明記)。

2023年にはEntegrisからCMC Materials KMGを7億ドルで買収し、超高純度の硫酸・IPAなどプロセスケミカルまで品揃えを拡大。材料単品でなく製造工程を広くカバーする総合提案が武器だ。

2026年2月にはRapidusへ50億円出資し、国産最先端ロジック半導体を材料面から支える。2030年度売上目標は5,000億円。

③ AI時代のコールドデータを「磁気テープ」で支える

意外な成長事業がデータアーカイブ用のLTO磁気テープだ。世界シェア首位とされ(報道ベース)、大手クラウド事業者のコールドストレージ基盤に採用されている。

IBMと共同で**1巻580TB**の記録技術を実証し、HDD保管と比べ消費電力・CO2を大幅に削減できる。AIによるデータ爆発で「滅多に使わないが消せないデータ」が急増する時代に、フィルムの精密塗布技術がそのまま効く事業である。

④ 写真のコラーゲンがiPS細胞・再生医療へ

写真フィルムの主原料コラーゲンの知見から、生体適合性ペプチド「cellnest」を製品化。

Cellular Dynamicsの買収でiPS細胞の大量安定生産技術を獲得し、治療用iPS細胞の製造施設を稼働させた。Novo Nordisk・BlueRock Therapeuticsと細胞治療のライセンス契約を結ぶなど、「写真→再生医療」という他社にない縦の転用が進む。

⑤ instax累計1億台という現在進行形の利益柱

チェキ(instax)は2026年に**累計販売1億台**を突破した。

「フィルムの会社が変身した」物語の影で、イメージング事業は営業利益1,600億円・**利益率25.5%**と、連結営業利益(3,502億円)の半分近くに相当する最大の利益柱であり、チェキフィルム生産設備の増強投資も続いている。デジタルネイティブ世代に「現像される一枚」の価値を売る、技術と文化の両輪のヒットだ。

業績の推移(売上高)

2.86兆2023/3期2.96兆2024/3期3.20兆2025/3期3.36兆2026/3期
富士フイルムHD連結売上高(米国基準)。2026年3月期は売上4期連続・営業利益5期連続(3,502億円)・純利益6期連続(2,767億円)の過去最高。2027年3月期会社予想は売上3兆4,700億円・営業利益3,650億円で7期連続最高益を計画。

業績は過去最高の更新が続いている(HD連結・米国基準)。

決算期売上高営業利益純利益
2023年3月期2兆8,590億円2,731億円2,194億円
2024年3月期2兆9,609億円2,767億円2,435億円
2025年3月期3兆1,958億円3,302億円2,610億円
2026年3月期3兆3,570億円3,502億円2,767億円
2027年3月期(会社予想)3兆4,700億円3,650億円2,800億円

2026年3月期は**売上4期連続・営業利益5期連続・純利益6期連続の過去最高**。2027年3月期は7期連続の最高益を計画する。

セグメント別では、エレクトロニクス(+34.4%)とイメージング(+14.9%)が増益を牽引した。

ヘルスケアは増収ながら営業利益636億円(−20.3%)と一時的な減益だが、これは米ノースカロライナ工場などバイオCDMOの先行投資費用によるもので、中計では2027年度以降の刈り取りを計画している(会社計画・実現は未確定)。

中計「VISION2030」は3年間で成長投資1.9兆円という大型投資フェーズであり、「投資が先・回収が後」の構造を理解して業績を読むのがポイントだ。

競合の中での立ち位置

富士フイルム のポジショニングマップ
精密・光学メーカーの「フィルム後」マップ(2軸で見る)

「フィルム後」をどう生きたかで、各社の戦い方は分かれた。

会社売上規模(直近本決算)タイプ富士フイルムとの違い
富士フイルムHD3兆3,570億円・営業利益3,502億円素材・バイオへ転換した多角型医療・材料・イメージングの複数柱で過去最高益を更新中
コニカミノルタ1兆877億円・営業利益498億円事務機中心同じフィルム出身だがカメラ撤退・事務機集中の道へ。構造改革中
キヤノン4兆6,247億円・営業利益4,554億円精密機器の総合大手売上の約54%が縮小局面のプリンティング。メディカルは育成中
ニコン6,771億円・営業損失1,124億円光学・精密の専業映像・半導体露光装置が柱だが2026年3月期は減損で赤字
オリンパス1兆107億円・営業利益971億円メドテック専業カメラを譲渡し内視鏡に集中。医療一本型
ソニーグループ12兆4,796億円・営業利益1兆4,475億円エンタメ×半導体の巨人ゲーム・音楽・センサーで規模は別格。BtoC色が最も強い
信越化学工業2兆5,739億円・営業利益6,352億円純素材の王者営業利益率約25%の素材専業。製品を持たない対極

富士フイルムの位置は「光学・精密」と「素材・化学」のあいだにある。

カメラメーカーと比べれば素材・バイオ寄り、化学メーカーと比べれば医療機器やチェキなど完成品も持つ。この「どちらでもある」ことが、単一市場の崩壊に強いポートフォリオの正体だ。

今後の展望

富士フイルムの数値目標(2030年度)

ビジョン

中期経営計画「VISION2030」

2024年4月発表の中計(2024〜2030年度)。2030年度に売上4兆円・営業利益率15%以上・ROE10%以上を掲げ、2026年度までの3年間に成長投資1.9兆円(R&D5,200億円+設備投資1兆3,500億円)を投下してバイオCDMO・半導体材料へ集中投資し、2027年度以降にリターンを刈り取る設計。グループパーパスは「地球上の笑顔の回数を増やしていく。」

数値目標

売上高(2030年度)4兆円
営業利益率(2030年度)15%以上
バイオCDMO売上(2030年度)7,000億円
半導体材料売上(2030年度)5,000億円

注力施策

  • バイオCDMOの大型投資「Partners for Life」

    米ノースカロライナ拠点に2万L培養タンク8基を追加する第二次投資を進め、2028年度に北米最大級の抗体医薬一貫製造サイトへ。抗体薬タンク能力を2030年に75万L超へ拡大する計画。

  • 半導体材料のワンストップ化

    EUV向け先端レジスト・CMPスラリー・先端パッケージ材料を拡大。2026年2月にRapidusへ50億円出資し、最先端ロジック半導体の国産化を材料面から支える。

  • 医療AIと新興国予防医療

    画像診断支援AI「REiLI」を核に、AI健診センター「NURA」をインド・モンゴル等で展開し2030年度に世界100拠点を目指す。日本の健診文化の輸出という独自戦略。

  • イメージングの収益柱化

    instax・デジタルカメラ(X/GFXの2ライン)を収益の柱に位置づけ、2025年12月にチェキフィルム生産設備の増強を発表。

ロードマップ

  1. 1934

    富士写真フイルム創立(写真フィルムの国産化)

  2. 2006

    持株会社体制へ移行。写真フィルム市場急減を受けた「第二の創業」の構造改革

  3. 2011

    海外2社買収でバイオCDMO事業に参入

  4. 2019

    富士ゼロックスを100%子会社化(2021年に富士フイルムビジネスイノベーションへ改称)

  5. 2024

    中計「VISION2030」発表。米NC拠点へ追加約1

  6. 2025

    米NC新工場開設・2万L培養タンク8基稼働。国内最大級の富山バイオCDMO工場竣工

  7. 2026/2

    Rapidusへ50億円出資。instax累計1億台突破

  8. 2030

    VISION2030最終年度: 売上4兆円・営業利益率15%以上目標

経営理念とカルチャー

  • グループパーパス: 「地球上の笑顔の回数を増やしていく。」
  • 行動規範: 「オープン、フェア、クリア」
  • ビジョン: 「勇気ある挑戦により新たな価値を創造する」

クチコミでは、社員の真面目さ・コンプライアンス意識の高さ(OpenWorkで4.8と突出)と、技術への誇りがカルチャーとして挙がる傾向だ。

人材面では自己成長支援プログラム「+STORY」を軸に、社内公募(+STORYチャレンジ)や2,000超の学習プログラムを整備し、「HRアワード2023」企業人事部門・最優秀賞を受賞している。

最近の主要トピック(面接ネタ)

  • 2026年2月: Rapidusへ50億円出資。英国拠点に抗体原薬製造棟を開設。
  • 2026年3月期決算: 売上3兆3,570億円・営業利益3,502億円で過去最高を更新。instax累計1億台突破。
  • 2025年: 米ノースカロライナ新工場開設(2万Lタンク8基稼働)。国内最大級の富山バイオCDMO工場竣工(2027年度稼働予定)。
  • 2024年4月: 中計「VISION2030」発表。2030年度に売上4兆円・営業利益率15%以上を掲げる。

こんな人にピッタリ

富士フイルムが合う人・合わない可能性がある人の早見表

一つの製品に骨を埋めるより、「技術を転用して会社ごと変身し続ける」環境で複数ドメインを横断したい人。

  • 技術の転用で新しい事業を生み出す側に立ちたい

    写真化学を医薬・半導体材料へ転じてきた富士フイルムの「変身力」が活きる

  • バイオ医薬や半導体材料など、成長産業の裏方インフラを支えたい

    バイオCDMOと材料の大型投資が続く富士フイルムの成長フェーズに乗れる

  • BtoB中心でも、チェキのようなBtoCヒットがある会社が良い

    医療からinstaxまで持つ富士フイルムのバランスが向く

  • 一つの製品に骨を埋めるより、技術を転用して新事業を生む側に立ちたい人
  • バイオ医薬・半導体材料など成長産業の裏方インフラを支えることに燃える人
  • BtoBの堅さと、チェキのようなBtoCヒットの華の両方が欲しい人

一方で、カメラそのもののものづくりに一生関わりたい人や、単一領域の専門性をひたすら深掘りしたい人には、専業メーカーの方が合う場合がある(ローテーションは平均5〜6年・クチコミ傾向)。

逆に合わない可能性がある人

志望度を上げる前に、入社後のギャップになりやすい観点も確認しておきたいポイントです。

  • カメラ・光学機器そのもののものづくりに一生関わりたい

    富士フイルムではイメージングは4本柱の一つのため、カメラが中核のメーカーの方が合う場合があります。

  • 単一領域の専門性をひたすら深掘りしたい

    事業・職種をまたぐローテーション(平均5〜6年)がある富士フイルムより、専業メーカーの方が合う場合があります。

  • 若手から成果主義で急速に昇給したい

    入社後数年は昇給が緩やかという社員クチコミの傾向があり、物足りなさを感じる可能性があります。

求める人物像

  • 謙虚に学ぶ成長意欲

    公式の求める人材像の筆頭は「何事からも謙虚に学ぼうとすることができる、成長意欲の高い人材」。事業転換を続ける会社ゆえ、過去の成功体験に縛られない学習姿勢が重視される。

  • 本質を考え抜き、周囲を巻き込む

    本質を考え抜く思考力を持ち、周囲を巻き込みながら仕事を進めていける人材。技術の転用は部門を越えた連携の産物であり、巻き込み力が成果に直結する。

  • 自分の強い想いをぶつける

    仕事への「自分の強い想い」をどんな相手にでもぶつけていける人材。行動規範「オープン、フェア、クリア」のもと、双方向に意見を交わす文化を掲げる。

  • 不確実でもやり抜く勇気

    不確実な状況でも勇気を持って行動し、最後までやり抜ける人材。企業ビジョンにも「勇気ある挑戦により新たな価値を創造する」と明記されている。

入社後のキャリアパス

  1. 1〜3年目

    約1ヶ月の新入社員研修の後、配属先でOJT中心に育成。上司・指導員と「新人育成計画」を作り「3年目に目指す姿」を共有しながら、仕事の基盤と自立的な行動姿勢を確立します。

  2. 中堅(平均5〜6年でローテーション)

    事業・職種をまたぐジョブローテーションがあり、年1回の「+STORY対話」で本人のキャリア希望を踏まえて異動が検討されます。社内公募「+STORYチャレンジ」で自ら手を挙げる異動も可能です。

  3. 海外・専門深化

    海外駐在に加え、若手向けの海外トレーニー制度・海外短期テーマ派遣があります。中堅以降はマネジメントかプロフェッショナルの道へ。2,000超のプログラムを持つ「+STORYアカデミー」で自律学習を支援します。

キャリアの軸は「+STORY」と呼ばれる自己成長支援の仕組みだ。

入社後は約1ヶ月の新入社員研修を経て配属され、上司・指導員と「新人育成計画」を作り3年目に目指す姿を共有しながらOJTで育つ。

その後は平均5〜6年で事業・職種をまたぐローテーションがあり、年1回の「+STORY対話」で本人の希望が反映される。社内公募「+STORYチャレンジ」で自ら異動に手を挙げることも可能だ。

海外機会は駐在に加え、若手向けの海外トレーニー制度・海外短期テーマ派遣がある。

昇給カーブは入社後数年は緩やかで、その後実力評価の色が濃くなるハイブリッド型というクチコミの傾向がある。

年収・待遇

有価証券報告書の平均年収は持株会社(富士フイルムHD単体・約1,200名)の数値で、事業会社・富士フイルム株式会社の平均ではない点に注意。事業会社の実態はクチコミ値が参考になる。出所を分けて整理する(2026年6月時点)。

初任給

博士了(公式)月額347,900円
修士了(公式)月額323,900円
学部卒(公式)月額296,000円

平均年収(出典別)

公式(有価証券報告書・2025年3月期)約1,124万円(富士フイルムHD単体・1,198名・平均年齢43.5歳。持株会社スタッフの数値)
OpenWorkクチコミ(体験談)約812万円(富士フイルム株式会社・回答360名・平均年齢36歳)

年次・役職別の目安

職種別の目安(クチコミ・体験談)研究開発職 約917万円>開発職 約885万円>事務職 約867万円
30代30代で1,000万円に到達するケースがあるという声(クチコミ・体験談)

待遇の特徴

  • 昇給年1回(6月)・賞与年2回(7月・12月)。年間休日125日(本社)(公式募集要項)
  • 社宅・独身寮・世帯手当・保育施設利用補助など福利厚生が手厚い(公式募集要項)
  • 入社後5年程度は昇給が緩やかという指摘がある一方、在宅勤務・フレックスの浸透を評価する声(クチコミ・体験談)

社員のリアルな評判

公式情報だけでは見えにくい、現役・元社員の声から見た実態です(OpenWork・就活会議等の社員クチコミ) OpenWork総合評価4.04(回答774名)と大手メーカーでも高い部類で、法令順守意識・福利厚生・有給の取りやすさへの評価が目立ちます。一方で年功序列的な昇給カーブや人事評価の納得感、部署による業務量の差を課題に挙げる声も共存します。

月平均残業(クチコミ)約30.1時間(部署差あり)
有給消化率(クチコミ)約67.3%
OpenWork総合評価4.04(法令順守意識4.8が突出)

評価する声

  • 社宅・独身寮など福利厚生と処遇への満足度が高く、在宅勤務・フレックスも浸透しているという声
  • 社員が真面目で相互リスペクトがあり、コンプライアンス意識が極めて高い環境という声が多い傾向
  • 有給が理由を問われず取りやすく、働きやすさの評価が高い傾向

気になる声

  • 年功序列の色が残り、入社後5年程度は昇給が緩やかという指摘(体験談)
  • 人事評価の納得感は相対的に低めのスコアで、評価制度に改善余地を指摘する声
  • 事業や部署によって業務量・残業の差が大きい傾向の指摘

年収は数値の帰属に注意したい。

有価証券報告書の平均年収約1,124万円は持株会社(富士フイルムHD単体・約1,200名のスタッフ)の数値で、事業会社の平均ではない。

事業会社・富士フイルム株式会社の実態は、OpenWorkクチコミで約812万円(回答360名・平均年齢36歳・体験談)が参考になる。職種別では研究開発職が約917万円と高めの傾向だ。

働き方は月平均残業約30.1時間・有給消化率約67.3%(クチコミ・体験談)で、OpenWork総合評価は4.04(回答774名)と大手メーカーの中でも高い部類。

総じて「働きやすさ・コンプライアンス・福利厚生」への高評価と、「年功序列的な昇給カーブ・評価の納得感」への課題指摘が共存する評判である。

沿革

富士フイルムは1934年、写真フィルムの国産化を使命に「富士写真フイルム株式会社」として創立された(大日本セルロイドの写真フィルム部門が独立)。

戦後はフィルム・印画紙で国内圧倒的シェアを築き、「お正月を写そう」のCMで国民的ブランドになった。

転機は2000年代。デジタルカメラの普及で写真フィルム市場がピーク比約10分の1へ崩壊し、2006年に持株会社体制へ移行して「第二の創業」と呼ぶ構造改革を断行した。化粧品(2006年)・医薬品(2008年・富山化学)・バイオCDMO(2011年)への参入はこの流れにある。

就活で混同しやすい関係を整理しておく。

  • 富士フイルムホールディングス: 上場している持株会社(4901)。
  • 富士フイルム株式会社: 本記事の対象。ヘルスケア・エレクトロニクス・イメージングを担う事業会社(HDの100%子会社)。
  • 富士フイルムビジネスイノベーション: 旧富士ゼロックス(2019年に100%子会社化・2021年改称)。複合機が主力で、採用も別の兄弟会社。

「フイルム」の表記(「フィルム」ではない)も社名の正式表記として覚えておきたい。

採用・選考

富士フイルムの選考フロー
締切27卒本選考は受付終了(マイナビに「応募受付を停止」と明記・2026年6月確認)。28卒はマイページ開設済みで、夏インターンの日程・締切は要確認(最新は公式採用サイトで確認)。
募集職種・コース技術系(化学材料開発・バイオ開発・機器開発・ソフトウエア/IT・プロセス研究・知的財産・営業技術など9分野の職種別)と事務系(営業・コーポレート等)。高専卒枠もあり。
勤務地本社(東京ミッドタウン)/工場・研究所は神奈川(小田原・足柄・開成)、静岡(富士宮・吉田南)、埼玉(大宮)など。海外駐在機会あり。
選考難易度・特徴採用約180名(技術系が約6割)に対しプレエントリー数千人規模で、倍率は就活メディアの推計で約50倍前後(非公式・参考値)。採用大学は旧帝大・早慶が多い傾向だが幅広く、技術系は修士中心。ESと面接は「経験と価値観の一貫性」の深掘りが特徴とされる(過去傾向)。

採用人数の推移

2023年129名
2024年172名
2025年184名
2026年183名(予定)

選考フロー

  1. プレエントリー(マイページ登録)
  2. ES提出+Web適性検査
  3. 一次面接
  4. 二次面接
  5. 最終面接(合格で内々定)

ES・自己分析でよく問われること

  • 志望動機/富士フイルムで成し遂げたいこと(過去傾向)
  • 学生時代に力を入れたこと・自身の強みと弱み(過去傾向)
  • 技術系は研究内容の詳述(過去傾向)

面接で聞かれた質問例

  • ガクチカ・研究テーマ選択理由の深掘り(背景・きっかけまで)
  • 人生で最も困難だったこと・価値観の相違を乗り越えた経験
  • キャリアビジョンと「富士フイルムで何をしたいか」

インターンシップ

夏に「5days Summer Internship」、冬に技術系の職務理解型などを公式マイページで募集(過去実績)。過去にはハッカソン型・製造プロセス改善ワーク型があり、参加者への早期選考案内の報告がある(過去傾向・最新の優遇内容は要確認)。

公式採用ページを見る →

採用は技術系(9分野の職種別)と事務系に分かれ、技術系が全体の約6割を占める。ES+Web適性検査→面接複数回が基本フローだ(過去傾向・最新は要確認)。

対策の要点は3つある。

  • 「変身し続ける会社」への共感を自分の言葉で。求める人材像の筆頭は「謙虚に学ぶ成長意欲」であり、フィルム後の事業転換ストーリーと自分の挑戦経験を重ねて語れると強い。
  • 一貫性の深掘りに備える。面接は「なぜその選択をしたか」を経験・価値観レベルまで掘る傾向が報告されている。ガクチカ・研究テーマの背景まで言語化しておく。
  • 事業会社の区別を正確に。受けているのは富士フイルム株式会社か、ビジネスイノベーションか。志望事業(ヘルスケア/半導体材料/イメージング)がどちらの会社かを取り違えると致命的だ。

27卒本選考は受付終了済み。28卒はマイページが開設されており、夏インターン(5days等・過去実績)が実質的な入口になる。日程・優遇の最新は公式採用サイト(careers.fujifilm.com/graduates)で要確認。

よくある質問

富士フイルムの年収は高い?低い?

有価証券報告書の平均年収約1,124万円は持株会社(富士フイルムHD単体・約1,200名)の数値で、事業会社の富士フイルム株式会社では社員クチコミ平均が約812万円(回答360名・体験談)です。職種別では研究開発職が約917万円と高めの傾向で、30代で1,000万円に到達するケースがあるという声もあります。「低い」という検索は、入社後5年程度は昇給が緩やかという年功型カーブを指す傾向があります。

富士フイルムの就職難易度・倍率は?

採用は年130〜180名規模(技術系が約6割)で、倍率は就活メディアの推計で約50倍前後とされます(非公式・参考値)。選考はES・Web適性検査の後、面接が複数回あり、経験と価値観の一貫性を深掘りされる傾向が報告されています。

富士フイルムに学歴フィルターはある?採用大学は?

採用大学は旧帝大・早慶が多い傾向とされますが(就活メディア集計・非公式)、幅広い大学からの採用実績があります。技術系は修士中心で、化学・バイオ・機電・情報系など職種別の募集分野が公式に示されています。

富士フイルムは激務?評判が悪いって本当?

社員クチコミの月平均残業は約30.1時間・有給消化率は約67.3%で、OpenWork総合評価は4.04(回答774名)と大手メーカーでも高い部類です(いずれも体験談)。一方で部署による業務量の差や、年功序列的な昇給カーブ・人事評価の納得感を課題に挙げる声があり、「評判が悪い」と一概には言えない評価分布です。

富士フイルムのインターンは優遇がある?

夏の「5days Summer Internship」や冬の職務理解型インターンが公式マイページで募集されてきました(過去実績)。参加者に早期選考の案内があったという報告がありますが、対象や内容は年度により変わる可能性があるため、最新は公式マイページでの確認が必要です。

最終更新: 2026-06-13