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セイコーエプソンの強み・弱み・将来性を分析【2026年就活】|企業研究・選考対策

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企業分析・就活ガイド

読了目安 約19

業界の基礎

就活生

エプソンってプリンターの会社、というイメージしかなくて…業界研究で何を見ればいいですか?

編集部

鍵は「心臓部を自前で作るかどうか」。多くのメーカーが部品を買って組み立てるなか、エプソンは製品の心臓部を内製する垂直統合で差をつけています。ここを軸に見ると一気に整理できますよ。

精密機器メーカーは、自動車・機械・電気機器の一角で、画像・印刷、電子部品、ロボットなど「精度」を競う製品を手がける業界である。

なかでもプリンター(インクジェット・複合機)は、本体を売って終わりではなく、インクなどの消耗品と保守で継続的に稼ぐリカーリングモデルが特徴だ。

その中でセイコーエプソンは、腕時計づくり由来の「省・小・精」を全事業で貫く垂直統合という独特の立ち位置にある。

代表的なプレイヤーを並べると、エプソンの個性が見えてくる。

  • プリンター総合: キヤノン(カメラ・医療・半導体露光まで多角)、HP
  • プリンター特化: エプソン(プリンティングが売上の約7割)、ブラザー工業
  • オフィス複合機・ソリューション: リコー、富士フイルムビジネスイノベーション、コニカミノルタ

エプソンは「広く手がける総合メーカー」ではなく、プリンティングに軸足を置きつつ、製品の心臓部となるデバイスを自前で作り込む点で他社と異なる。

事業内容

セイコーエプソンの事業内容: プリンティングソリューションズ、ビジュアルコミュニケーション、マニュファクチャリング関連・ウエアラブル

ビジネスモデル

腕時計づくりで培った「省・小・精」の技術を核に、プリントヘッドや水晶デバイスなど製品の心臓部を内製する垂直統合型の精密技術メーカー。プリンター本体に加え、インクなどの消耗品と保守サービスで継続的に稼ぐリカーリングモデルを軸に、プリンティングから映像・製造・電子デバイスまで広げる。

  • プリンティングソリューションズ

    インクジェット・大容量インクタンク(エコタンク)・オフィス向け複合機・商業/産業印刷・スキャナーなど。全社売上の約7割を占める収益の柱で、本体と消耗品のリカーリングで稼ぐ。

    エコタンクPrecisionCoreヘッドSureColor(大判)ラインインクジェット複合機
  • ビジュアルコミュニケーション

    自社の3LCD方式プロジェクター。500ルーメン以上の市場で世界シェア上位を占め、教育・ビジネス・ホームから高光束のプロ用途まで展開する。

    ビジネスプロジェクターホームプロジェクター高光束プロジェクター
  • マニュファクチャリング関連・ウエアラブル

    産業用スカラロボット、水晶デバイス・半導体(マイクロデバイス)、ウオッチムーブメント・腕時計、PCなど。時計由来の精密技術を産業・電子部品へ展開する領域。

    スカラロボット水晶デバイス半導体(マイコン)ウオッチムーブメント

多くのメーカーが部品を外部から調達して組み立てるのに対し、エプソンは製品の心臓部を自分たちで作る点に事業構造の核がある。コーポレートメッセージ「EXCEED YOUR VISION」のもと、腕時計づくりで培った「省・小・精(省エネ・小型・高精度)」の技術を、プリンター・プロジェクター・ロボット・電子デバイスへと横展開してきた。プリンター本体だけでなくインクなどの消耗品とアフターサービスで継続的に稼ぐリカーリングモデルが、収益の柱であるプリンティング事業の安定した基盤になっている。

エコタンクという転換

かつてプリンターは「本体を安く売り、高いインクで回収する」モデルが主流だった。エプソンは2010年代に、大容量のインクタンクを搭載したエコタンクを新興国から投入し、インクコストの不満に応えてこの常識を覆した。現社長の吉田潤吉氏は、このエコタンクの製品化を主導した人物である——つまり「稼ぎ方の転換」を起こした人物がトップに立っている。

この会社の強み

セイコーエプソンの強み: 心臓部プリントヘッドを内製・外販する垂直統合、ヒートフリーで国の省エネ最高賞を2度受賞、プロジェクターとロボットの「世界No.1」二刀流、水晶・半導体を自社ファブで持つデバイス内製力、「省・小・精」を環境と産業印刷へ広げる投資
  1. 心臓部プリントヘッドを内製・外販する垂直統合

    熱を使わず圧電素子の電圧でインクを吐出する独自のマイクロピエゾ/PrecisionCoreヘッドを自社設計・製造。1ノズルから毎秒最大約5万滴を制御吐出し、駆動部の薄膜ピエゾは厚さ約1μm。2019年からは競合にもヘッドを売る外販事業を開始した

  2. ヒートフリーで国の省エネ最高賞を2度受賞

    熱を使わず待機加熱が不要なため、ラインインクジェット複合機LM-C5000は他社カラーレーザー比で年間消費電力量を平均約80%削減。この技術で省エネ大賞「資源エネルギー庁長官賞」を2018年度・2023年度の2回受賞している

  3. プロジェクターとロボットの「世界No.1」二刀流

    自社3LCD方式でプロジェクター世界シェアNo.1を23年連続(2001〜2024年・Futuresource調べ)。さらに産業用スカラロボットも2011年以来世界シェアNo.1で、その起点は自社の腕時計組立を自動化するため内製した精密組立ロボットだった

  4. 水晶・半導体を自社ファブで持つデバイス内製力

    水晶(クオーツ)デバイスで世界最大級のシェアを持ち、合成水晶の生産から自社ICファウンドリ(東北エプソン)まで一貫するIDM。世界初のクオーツ腕時計アストロン(1969年)に必要なICを内製したのが原点で、マイコン等の半導体も自社設計・製造する

  5. 「省・小・精」を環境と産業印刷へ広げる投資

    環境ビジョン2050で2050年カーボンマイナス・地下資源消費ゼロを掲げ、2023年に全世界グループ拠点の使用電力100%再エネ化を国内製造業で初めて達成。水をほぼ使わない乾式オフィス製紙機PaperLabを世界で初めて商用化した

就活生

強みがプリンターからロボット、水晶まで幅広すぎて、面接でどう語ればいいか分かりません…。

編集部

バラバラに見えますが、実は「自分の工場で使う道具を世界一の商品に変える」という一つの運動なんです。ここを一本の線で語れる就活生は強いですよ。

プリントヘッド、ヒートフリー、プロジェクター・ロボットの世界一、水晶・半導体——並べると別々の強みに見えるが、すべては一本の線でつながっている。その共通項は、時計づくりで磨いた「省・小・精」と、心臓部を内製する垂直統合だ。

本当に注目すべきは、これらの強みが自社の工場で使う技術を商品に転化するという同じ運動から生まれている点にある。腕時計の組立を自動化するために内製した精密組立ロボットがスカラロボット世界一になり、アストロンに必要なICを内製したことが水晶・半導体のIDM事業になり、自社開発したマイクロピエゾヘッドはついに競合にも外販するまでになった。「自分の道具を世界一の商品にする」という垂直統合の深さこそが、派手な消費者ブランドを持たないエプソンが省エネ大賞を2度取り、ニッチで首位を取り続けられる構造的な理由である。

業績の推移(売上収益)

1兆3,303億2023/3期1兆3,140億2024/3期1兆3,629億2025/3期1兆4,132億2026/3期1兆4,500億(予想)2027/3期
売上収益(IFRS・連結)。2026年3月期は1兆4,132億円で過去最高だが、買収子会社Fieryののれん減損(約259億円)や米国関税の影響で営業利益は495億円(前期比約34%減)に減少した。2027年3月期は減損の剥落により営業利益860億円への回復を会社は見込む(会社予想)。

就活で読むべきは、過去最高の売上と急減した営業利益のギャップである。

決算期売上収益営業利益当期利益(親会社帰属)
2024年3月期1兆3,140億円575億円526億円
2025年3月期1兆3,629億円751億円552億円
2026年3月期1兆4,132億円495億円182億円
2027年3月期(予想)1兆4,500億円860億円590億円

売上が過去最高を更新した2026年3月期に営業利益が前期比で大きく減ったのは、買収した子会社Fieryののれん減損(約259億円)と米国の関税影響が重しになったためだ。裏を返せば本業の稼ぐ力が落ちたわけではなく、会社は2027年3月期に減損の剥落で営業利益860億円への回復を見込む(会社予想)。一過性の要因と構造的な要因を切り分けて読むことが、この決算を理解する鍵になる。

過去業績の一部は二次情報を含む。最新・詳細はエプソン公式IRの決算短信・有価証券報告書で要確認。

競合の中での立ち位置

セイコーエプソン のポジショニングマップ
プリンティング×精密デバイスの垂直統合で独自の立ち位置(精密機器メーカー業界マップ)

同じプリンティング業界でも、各社で戦い方は大きく異なる。

会社タイプエプソンとの違い
セイコーエプソンプリンティング特化・デバイス内製ヘッドから水晶デバイスまで内製する「省・小・精」の垂直統合
キヤノン総合精密・多角プリンター・カメラ・医療・半導体露光まで多角化。規模と事業の幅で上回る
ブラザー工業プリンター・ミシン特化同じ特化型だが、ヘッド技術の独自性ではエプソンに対して相対的に組立寄り
リコーオフィス複合機・ソリューション複合機を軸にソリューション中心。生産は東芝テックと統合(ETRIA)し効率化を志向
富士フイルムBI複合機+素材・ヘルスケア素材技術まで含む広い多角と垂直統合。事業の幅が広い

同じ「精密技術の内製」ではキヤノンが近いが、キヤノンが多角化した総合精密であるのに対し、エプソンの個性は事業の幅ではなくプリンティングに軸足を置いたまま心臓部を自前で作る垂直統合の深さにある。

今後の展望

セイコーエプソンの数値目標(2035年度)

ビジョン

ENGINEERED FUTURE 2035 / 環境ビジョン2050

2026年3月に発表した2035年に向けた新長期ビジョン。前ビジョン「Epson 25 Renewed」(2021〜2025年度)の後継で、「省・小・精」の技術を核に、従来の「プリンター企業」から精密技術とエンジニアリングを掛け合わせた企業への転換を目指す。同時に中期経営計画Phase1(2026〜2028年度)を策定し、ROIC経営を深化させる。環境面では「環境ビジョン2050」のもと2050年カーボンマイナス・地下資源消費ゼロを掲げる。

数値目標

売上収益(2035年度)1兆5,000億円
産業領域の売上比率(2035年度)約33%→50%
ROIC(2028年度)8.0%
成長投資(2026〜28年度)約2,800億円

注力施策

  • プレシジョンイノベーションを成長エンジンに

    インクジェットソリューションズとマイクロデバイス(水晶・半導体)事業を組み合わせ、中核の成長エンジンに位置づける。精密技術の強みを最も活かせる領域へ資源を集中する。

  • インダストリアル&ロボティクスの育成

    スカラロボットなど産業用ロボットを次の成長領域として育てる。人手不足を背景にした製造現場の自動化需要を取りにいく。

  • ヒートフリーによる環境訴求の継続

    熱を使わないマイクロピエゾ方式インクジェットで省エネを訴え、オフィスのレーザー機からの置き換えと、商業・産業印刷(捺染・サイン)への領域拡大を進める。

  • 事業ポートフォリオの再設計

    縮小傾向のオフィス・ホーム印刷をキャッシュ創出基盤と位置づけつつ、産業領域へシフト。2027年3月期からセグメント区分を4区分に再編し、成長領域への資源配分を明確にする。

ロードマップ

  1. 1942

    前身・大和工業を諏訪市で設立(時計部品製造)

  2. 1968

    世界初の小型電子プリンターEP-101を開発(EPSONブランドの由来)

  3. 1985/11

    諏訪精工舎とエプソンが合併しセイコーエプソン発足

  4. 2003/6

    東京証券取引所第一部に株式上場(証券コード6724)

  5. 2021

    長期ビジョン「Epson 25 Renewed」発表

  6. 2024/9

    デジタル印刷ソフトのFieryを買収し商業・産業印刷を強化

  7. 2026/3

    新長期ビジョン「ENGINEERED FUTURE 2035」と中計Phase1を発表

将来性を読むうえでの核心は、新長期ビジョン「ENGINEERED FUTURE 2035」が掲げる「プリンター企業」からの脱皮だ。主力のオフィス印刷はペーパーレス化で構造的に縮小していく——だからこそエプソンは、縮小事業をキャッシュ創出基盤と割り切りつつ、産業領域の売上比率を約33%から約50%へ引き上げ、稼ぎ頭を入れ替えにいこうとしている。

見落とせないのは、エプソンにとって環境対応がコストではなく競争力の源泉である点だ。ヒートフリーによる省エネも、再エネ100%化(国内製造業で初)も、もとは「省・小・精」という同じ強みの延長線上にある。縮小市場で生き残るために環境性能で差別化するという戦略が、技術の出自と一貫している。

こんな人にピッタリ

セイコーエプソンが合う人・合わない可能性がある人の早見表

派手な消費者ブランドより、製品の心臓部となる要素技術を自分たちの手で作り込み、世界シェアトップを地道に取り続けるものづくりに惹かれる人。

  • 製品の心臓部となる要素技術を自分たちの手で作り込みたい

    プリントヘッドからデバイスまで内製するエプソンの垂直統合が活きる

  • 省エネ・環境性能を技術で勝ち取ることに価値を感じる

    ヒートフリー技術で省エネ大賞を取り続けるエプソンが合う

  • 派手さより世界シェアトップをニッチで取り続けたい

    プロジェクター・ロボット・デバイスで首位を取るエプソンの戦い方が向く

逆に合わない可能性がある人

志望度を上げる前に、入社後のギャップになりやすい観点も確認しておきたいポイントです。

  • 医療・半導体・素材まで含む広い多角事業で動きたい

    プリンティングに売上の約7割が集中するため、より広域に多角化した総合メーカーの方が合う場合があります。

  • 首都圏勤務を前提にキャリアを描きたい

    研究開発・生産の中核が長野県(諏訪・松本圏)にあり配属の多くが長野のため、勤務地の希望によっては相性を確認した方がよいでしょう。

  • 市場が拡大する成長分野で勝負したい

    主力のオフィス印刷はペーパーレス化で構造的に縮小傾向のため、成長市場での拡大を最優先したい人は事業ポートフォリオをよく見た方がよいかもしれません。

求める人物像

  • 「省・小・精」で社会課題に挑む人

    無駄を省き、より小さく、より精緻にという「省・小・精」の発想に共感し、環境課題をはじめとする社会課題の解決に技術で取り組める人。

  • 創造と挑戦を続けられる人

    創業以来エプソンが大切にする「創造と挑戦」、スローガン「EXCEED YOUR VISION」を体現し、世の中にないものを自分たちの手でつくり出そうと挑み続けられる人。

  • お客さま起点で自律的に動ける人

    「お客様を大切に」の精神のもと、常に顧客の視点に立ち、指示を待つのではなく自律的・主体的に価値を生み出せる人。

  • 誠実に努力し、総合力を発揮できる人

    「誠実努力」を持ち、多様な事業領域・多様な仲間と協力しながら、信州から世界へ向けて物事を地道にやり遂げられる人。

入社後のキャリアパス

  1. 係員(入社〜数年・A〜E等級)

    入社後1年は教育期間。入社直後の集合研修を経て、新入社員1人にOJTリーダー1人が付く体制で現場の基礎を学びます。等級制のもとでまず能力を伸ばす期間です。

  2. シニアスタッフ(主任〜係長級)

    年齢や経験年数によらず、担う職務の大きさと実力で処遇される段階。若手でも高難易度の業務を任され、社内公募制度を使って自ら手を挙げて異動することもできます。

  3. 管理職(課長・部長級)

    経営を補佐する層へ。ジョブローテーションで複数の職種・事業を経験した幅をもとに、組織やプロジェクトを率いる役割を担います。

キャリアは等級制を基本にした長期育成型で、抜擢で一気に駆け上がるタイプの会社ではない。年功よりは職務の大きさと実力で処遇され、社内公募で自ら異動を取りにいける一方、土台は腰を据えた育成にある——成長スピードを最優先する人には物足りなく映る可能性がある。

描くうえで最も押さえておきたいのは、配属の約9割が長野県という地理的特徴だ。首都圏前提でキャリアを考える人にとっては相性の確認が欠かせない。

年収・待遇

セイコーエプソンは東証プライム上場のため、有価証券報告書の平均年間給与(単体)が公式値として確認できる。クチコミ媒体の数値は回答者の年齢・職種構成が若い分低く出る傾向があるため、公式値と体験談を分けて読むこと(2026年6月時点。2026年3月期の有価証券報告書は未提出のため、平均年収は2025年3月期が最新)。

初任給

博士了(公式)月348,000円(2026年4月実績)
修士了(公式)月312,000円(2026年4月実績)
学部卒・高専専攻科卒(公式)月287,000円(2026年4月実績)
高専本科卒(公式)月247,000円(2026年4月実績)

平均年収(出典別)

公式(有価証券報告書・単体)約794万円(平均年齢43.2歳・平均勤続18.3年・2025年3月期)
OpenWorkクチコミ(体験談)約694万円(回答者平均36歳)

年次・役職別の目安

係員(入社〜9年目程度)400〜700万円が目安(媒体集計・非公式)
シニアスタッフ(主任〜係長級)700〜800万円が目安(媒体集計・非公式)
課長級1,000〜1,100万円が目安(媒体集計・非公式)
部長級1,200万円以上が目安(媒体集計・非公式)

待遇の特徴

  • 賞与は年2回(6月・12月)、昇給は年1回(4月)、年間休日127日。諸手当は時間外・休日出勤・家族・通勤手当など(公式募集要項)
  • 賞与は基本給の6か月分程度で業績連動の色が強く、業績が良い年の翌年は増える傾向とする媒体集計がある(非公式)
  • 独身寮・社宅が割安で利用できるなど、長野(信州)拠点の住宅補助・福利厚生の手厚さを評価する声が目立つ(クチコミ・体験談)
  • 若手の給与は比較的高い一方、中堅以降は昇給ペースが鈍化し頭打ちと感じる声がある(クチコミ・体験談)

年収は出所により幅があるが、公式(有報・単体)の約794万円とクチコミの約694万円の差は、回答者の年齢・職種構成の違いによるものだと割り引いて読むとよい。額面以上に効いてくるのが、独身寮・社宅が割安で使える長野(信州)拠点の住宅補助の手厚さで、可処分所得ベースでは数字より厚いと評価する体験談が目立つ。

読み筋として押さえたいのは年収カーブの形だ。若手の給与は比較的高い一方、中堅以降は昇給ペースが鈍化し頭打ちと感じる声があり(クチコミ・体験談)、入口の良さと中盤以降の伸びは分けて見ておきたい。

社員のリアルな評判

公式情報だけでは見えにくい、現役・元社員の声から見た実態です(OpenWork・就活会議・転職会議・エン ライトハウス等の社員クチコミ) 精密機器・プリンター大手として安定性と「ものづくり志向」への評価が高く、技術力・事業の独自性や、長野(信州)拠点の手厚い住宅補助・福利厚生、メーカーとしてはホワイト寄りのワークライフバランスを評価する声が多い傾向です。一方で、年功序列・保守的な社風や、若手の成長環境に改善余地を感じる声も一定数みられます。

月平均残業(クチコミ)概ね月20時間前後(部署差あり・体験談)
有給消化率(クチコミ)約65%(体験談)
平均勤続年数(有報・単体)約18.3年(2025年3月期)

評価する声

  • メーカーとしてはホワイト寄りで、残業少なめ・フレックスなどワークライフバランスが取りやすいという声
  • 独身寮・社宅が割安で利用できるなど、住宅補助・福利厚生の手厚さを評価する声が目立つ
  • インクジェット等での技術力・事業の独自性、コンプライアンス意識の高さや定着率の高さ

気になる声

  • 古い体質・年功序列・保守的な社風を指摘する声が一定数みられる(傾向)
  • 残業時間や働き方が配属部署や事業所によりばらつく、勤務地が長野中心という指摘がある(傾向)

エプソンって実際、働きやすいの?

評判の二面性は「腰を据えて働ける良さ」と「変化の遅さ」が裏表になっている点に集約される。住宅補助の手厚さやホワイト寄りのワークライフバランス、定着率の高さを評価する声は、そのまま年功序列・保守的な社風という指摘とコインの裏表だ。安定とものづくり志向を求める人には強く刺さり、スピードや成長環境を最優先する人には物足りなく映る——どちらの声も同じ社風を別の角度から見たものだと理解すると読み違えない(いずれも社員クチコミ・傾向)。

沿革

エプソンの源流は、1942年に諏訪市で設立された時計部品メーカー「大和工業」にある。

その後、第二精工舎諏訪工場を引き継いだ諏訪精工舎が、セイコーブランドの腕時計を生産する精密加工の拠点となった。

1968年に世界初の小型電子プリンター「EP-101」を開発し、その「EP(Electronic Printer)のson(子どもたち)」から「EPSON」というブランドが生まれた。

1985年、諏訪精工舎と(プリンター事業を担っていた)エプソン株式会社が合併し、セイコーエプソン株式会社が誕生した。

採用・選考

セイコーエプソンの選考フロー
締切要確認(最新は公式採用ページで確認)
募集職種・コース技術系(研究開発・開発設計・生産技術・品質保証・セールスエンジニア・デザイン・知的財産・情報システム等)と事務系(営業・生産管理・調達・財務経理・法務・人事・経営企画等)の2区分。
勤務地配属の約9割が長野県(諏訪・松本・塩尻・安曇野・伊那など)。ほかに東京(新宿・日野)、北海道、山形、大阪、福岡、海外拠点。
選考難易度・特徴選考難易度は就活メディアで「やや高い」とされ、採用校は国公立・上位私大の理系・院卒が中心で、本社のある信州大学が主要採用校として目立つ傾向(クチコミ・要確認)。学歴フィルターは「ない」とする声が多いが職種差の可能性があり断定はできない。

採用人数の推移

2023年344名
2024年373名
2025年307名
2026年265名

選考フロー

  1. エントリー・ES提出
  2. 適性検査(SPI等/自宅受験が主流)
  3. マッチング面談(複数回・個人面接中心)
  4. 内定(内定後アンケート・面談)

ES・自己分析でよく問われること

  • 志望職種を選択した理由(技術系・事務系共通/150字程度)
  • 学校で学んだこと・研究テーマ(技術系/概要・目的・苦労・工夫)
  • その学び・研究をエプソンでどう活かせるか
  • エプソンのどこに魅力を持ったか

面接で聞かれた質問例

  • 自己紹介・自己PR、学生時代に力を入れたことの深掘り
  • 志望動機と入社後にやりたいこと
  • 研究内容の説明(理系)、就活の軸、他社の選考状況
  • 最終では「ストレス発散方法」「社会人になる不安」など人物面も

インターンシップ

技術系・事務系・デザイン系の職場受入型インターンを夏季中心に実施(技術系は100超のテーマから選択)。技術系・事務系の職場受入インターンには「早期選考直結(2028年卒限定)」と公式に明記があるが、直結の具体的中身は要確認。最新の時期・形式は公式採用ページで確認。

公式採用ページを見る →

人物重視で研究テーマの深掘りが問われやすい分、対策の軸は明確だ。要点は3つ。

  • 「省・小・精」と垂直統合を理解し、なぜエプソンの技術に惹かれるのかを自分の言葉で語れるようにする
  • プリンターだけでなく、プロジェクター・ロボット・水晶デバイスまで含む事業の幅を押さえておく
  • 配属の約9割が長野県という点を理解し、その上で働きたい理由を整理しておく

技術系は職場受入型インターンに参加して現場の雰囲気を掴んでおくと、志望動機に厚みが出る。

基本情報

上場区分東証プライム(証券コード6724・2003年上場)
グループ独立系。セイコーグループ(株)等の保有は計約7%にとどまり資本支配関係はない(筆頭株主は信託銀行)
創業・設立1942年5月設立(前身・大和工業)/1985年11月に諏訪精工舎とエプソンが合併しセイコーエプソンへ
本社長野県諏訪市大和
代表者吉田潤吉(代表取締役社長・2025年4月就任)
資本金532億円(2025年3月末)
従業員数連結75,352名/単体12,792名(2025年3月末)
売上収益連結1兆4,132億円(2026年3月期・IFRS)
事業領域プリンティング/ビジュアル(プロジェクター)/マニュファクチャリング・ウエアラブル(ロボット・水晶/半導体・ウォッチ)

同業他社と並べて見ると、その会社ならではの強みや立ち位置が浮かび上がります。志望理由づくりの比較材料にどうぞ。

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最終更新: 2026-06-12