時間をかけて書いたESが、また通らなかった。周りはインターンや面接へ進んでいるのに、自分だけ入口で止まっているように感じる。
落選が続くと、「文章が下手なのでは」から「自分には評価される経験がないのでは」へ、不安が大きくなりがちです。
でも、企業から届くのは不通過という結果だけで、理由までは通常分かりません。ESが通らない原因を、ES本文だけに決めつける必要はありません。
企業によっては、ESとWebテストを合わせて書類選考に使います。応募条件、提出物、人気企業への集中、入力漏れが影響している可能性もあります。
この記事では、原因を5つに分け、次の1社で試せる改善法へ変えます。第一志望を諦めず、応募経路も止めないための順番を一緒に整理しましょう。
ESが通らないのは、あなたの能力が低いからとは限らない


書類選考の「平均通過率」を共通の物差しにはできない
検索すると、「ESの通過率は半分」「多くの人が落ちる」といった数字が見つかります。しかし、調査主体や対象、選考段階を確認できない数字は、自分の現在地を測る基準にできません。
一次資料を確認しても、ES本文だけの全国共通の平均通過率は特定できませんでした。ES提出後にWebテストや動画提出がある企業もあり、どこからどこまでを「ES通過」と数えるかが揃っていないためです。
内閣府の令和7年度調査では、ESを提出した26卒相当の学生3,176人のうち、提出数が1〜19社だった人は70.7%でした。
これは28卒の通過率でも、「19社出せば十分」という基準でもありません。応募数だけでは、企業の難易度や職種、提出内容を比較できないからです。
企業が書類を見る目的は、会社や選考段階で異なる
就職みらい研究所の「就職白書2026」では、26卒採用を実施した企業1,161社のうち、76.2%が書類選考、86.6%が適性検査・筆記試験を実施していました。
書類選考にはESだけでなく、履歴書や作文なども含まれます。この数字は、多くの企業が複数の方法を組み合わせていることを示すもので、ESだけで合否を決める割合ではありません。
同じ調査系列では、新卒採用全体で「人柄」を重視する企業が93.8%でした。派手な実績がないだけで落ちるとは限りませんが、人柄だけで通るという意味でもありません。
企業は設問への回答、経験の具体性、自社との接点、適性検査などを、それぞれの選考設計で見ています。まずは「ESが悪かった」と一括りにしないことが出発点です。
まず「何が落ちたのか」を3方向から診断する


落選理由が開示されない以上、原因を断定することはできません。それでも、確認できる事実と推測を分ければ、次に直す場所は絞れます。
提出不備とES本文を分けて確認する
マイページと受付メールを開き、ESの送信、必須項目、添付ファイル、顔写真、締切時刻を確認します。提出控えが残っているなら、修正前に必ず保存してください。
次に本文を見ます。誤字だけでなく、「学生時代に力を入れたこと」を聞かれているのに強みの説明だけで終わっていないかなど、設問と回答のずれを確認します。
文章を全部直す前に、事実として分かる不備がなかったかを先に見ると、推測だけで自分を責めずに済みます。
Webテスト・応募条件・職種固有の提出物を確認する
野村総合研究所の27卒採用では、ES提出と適性検査の受検を正式応募の要件とし、両方の結果で書類選考を行うと案内しています。
この企業で不通過になっても、通知だけからES本文が原因だったとは判断できません。応募企業の選考フローで、適性検査の受検状況や期限を別に確認する必要があります。
味の素の27卒採用では、R&Dに研究レポート、デジタル・情報システムに技術PRレポート、クリエイティブ職にポートフォリオが設定されています。
ESのほかに何が必要かは企業・職種で異なります。研究、技術、デザイン系を志望する人は、専攻条件や提出物まで一組で点検してください。
大手・人気企業への集中と応募時期を確認する
食品大手だけ、広告大手だけのように応募先が集中している場合、ESの質を改善しても、競争の厳しい企業群だけで結果を判断することになります。
第一志望を下げる必要はありません。その会社でやりたい仕事を残したまま、同じ顧客、職種、技術に関われる企業へ探索範囲を広げます。
締切が早いほど有利という全国共通の一次データは確認できません。ただし、職種ごとに締切日時や受検期限が違う企業はあるため、「日付」だけでなく「時刻」と「提出後の手続き」まで見ましょう。
志望先・選考時期別「ESを直す前に見るべきこと」


同じES不通過でも、次に取る行動は志望先と時期で変わります。以下は合格基準ではなく、見落としを防ぐための確認マップです。
| 状況 | ES以外に確認すること | 次の一手 |
|---|---|---|
| 28卒で夏インターンに不通過 | 本選考の応募条件、秋冬の募集、適性検査 | 落選ESを保存し、次の募集と改善を並走 |
| 大手・人気企業に集中 | 採用コース、職種、応募先の偏り | 仕事内容が近い企業を追加 |
| 技術・研究職 | 専攻条件、研究概要、技術PR、受検期限 | ESと専門資料を別々に点検 |
| クリエイティブ職 | ポートフォリオ、活動要件、作品説明 | 文章だけでなく作品の見せ方も確認 |
28卒で夏インターンに落ちた場合
28卒の政府要請では、広報活動は2027年3月1日以降、採用選考は6月1日以降が原則です。一方、一定の専門活用型インターンには例外があります。
この制度は、夏インターン不通過者の本選考可否を一律に決めるものではありません。インターン参加を本選考の必須条件にしていない企業もありますが、全社共通にはできません。
募集要項、FAQ、マイページに記載がなければ、採用窓口へ確認してください。同じESを出し直すのではなく、設問、経験、企業との接点を更新します。
大手・人気企業ばかりに応募している場合
大手志望を手放す必要はありません。ただし、応募先の知名度と、自分がやりたい仕事を一度分けてください。
「食品に関わりたい」なら、完成品メーカーだけでなく、素材、物流、店舗、食品設備にも仕事があります。「ITで企業を支えたい」なら、コンサル、SIer、事業会社の社内ITでも役割は異なります。
企業を増やす目的は、通りやすい会社を探すことではありません。仕事内容の比較材料を増やし、自分のESがどの企業で接点を持つか確かめることです。
技術職・研究職・クリエイティブ職の場合
専門職では、文章が読みやすくても、研究テーマ、技術経験、制作物、専攻条件が募集職種と合っていない場合があります。
ES本文と専門資料を一つにまとめて評価せず、別々に確認しましょう。ポートフォリオなら作品だけでなく、自分の担当、考えたこと、改善過程を面接でも説明できる形にします。
次に出す1本で確認したい、ESの3つのポイント


原因を分けたら、落ちたESを全部書き直すのではなく、次の締切に近い1本を選びます。確認する観点は三つです。
設問に対して、最初の一文で答えているか
「あなたの強み」を聞かれたら、最初に強みを示します。背景説明や企業への挨拶から始めると、読み手は答えを探さなければなりません。
書き終えたら、設問と最初の一文だけを並べて読んでください。二つが対になっていなければ、文章の順番を変えます。
経験を「状況・行動・結果」の確認可能な事実で書いているか
「主体性を発揮した」「周囲を巻き込んだ」という評価語だけでは、何をした人か分かりません。置かれた状況、自分が選んだ行動、その後に確認できた変化へ分けます。
数字がなければ、作る必要はありません。担当範囲、工夫、相手の反応、続けた期間など、自分が面接で説明できる事実を使います。
経験そのものが見つからないなら、ガクチカがないときの棚卸しへ。強みを言葉にできないなら、自己PRがないときの整理方法を先に使ってください。
企業との接点があり、面接でも自分の言葉で説明できるか
企業理念を写すだけでは、自分との接点になりません。事業、顧客、仕事内容、採用職種のどこに反応したかを、自分の経験と結びます。
志望動機で止まるなら、志望先の採用ページから事業・職種・仕事内容の事実を一つ拾います。就活軸が決まらないなら、自己分析を仮決めする方法へ戻れます。
AIや例文を使った場合は、未経験の出来事、確認できない企業情報、普段使わない表現を削ります。面接で「なぜそう思ったのか」と聞かれ、自分で答えられる文だけを残してください。
次の締切までの1週間ロードマップ


改善が完璧になるまで応募を止めると、次の検証機会がなくなります。同じESを送り続けるのでもなく、1本ずつ仮説を試します。
今日—落ちたESの控えから事実と推測を分ける
企業名、職種、提出日、ES、Webテスト、追加提出物、結果を一行にします。「志望動機が弱かった」は推測として別欄に置きます。
提出漏れがなく、Webテストも完了していたなら、初めて本文の改善へ進みます。控えがない場合は、次回から提出前にPDFやスクリーンショットを保存してください。
3日以内—1本だけ直し、観点を指定して第三者へ見せる
大学のキャリアセンター、先輩、信頼できる社会人へ、何を見てほしいか指定します。「通りそうですか」ではなく、次の三点を頼みましょう。
- 設問への答えが最初に分かるか
- 行動の具体像が浮かぶか
- 企業との接点が他社にも使える抽象語になっていないか
添削結果を全部採用する必要はありません。本人が経験していない内容や、面接で説明できない表現は残さないでください。
1週間以内—提出・結果記録と応募先補充を並走する
修正した1本を提出し、変えた箇所を記録します。同時に、第一志望と仕事内容や職種が近い企業を三社探します。
OfferBoxとキミスカには、27卒・28卒向けの無料登録導線があります。プロフィールを見た企業からスカウトが届く仕組みで、企業との接点を増やす選択肢になります。
添削や通過を約束するサービスではありません。プロフィールには面接でも説明できる事実を書き、届いた案内は仕事内容・応募条件を確認してから判断しましょう。
ESが通らない状態から立て直すときに見られるパターン


公開相談、取材、大学公式の体験談を横断すると、立て直すときの行動には共通点があります。以下は特定の誰かの成功談ではなく、複数事例を一般化したパターンです。
ESだけでなく、Webテストや応募先の偏りを見直す
夏の選考で落ち続けた後、選考段階を記録すると、ESではなくWebテストで止まっていたと気づく場合があります。
また、大手だけに応募していた人が、次の募集を探しながら職種固有の制作物や研究資料を見直す経路もあります。
大切なのは、すべてを「自分のESが悪い」にまとめないことです。最初に止まった段階を企業ごとに分け、次の一項目を決めます。
添削回数ではなく、フィードバックの観点を変える
何度添削を受けても結果が変わらないときは、文章の美しさだけを直している可能性があります。
設問への回答、経験の具体性、企業との接点、面接で補足できる余白など、見てもらう観点を変えます。実際の原稿と募集要項を一緒に渡すと、抽象的な助言で終わりにくくなります。
どのパターンも、通過や内定を保証するものではありません。結果が変わらなくても、何を変えたかが残れば、次の診断材料になります。
志望軸を保ったまま、企業の選択肢を広げる


企業分析記事は「通りやすい会社一覧」ではありません。仕事内容、顧客、職種を比較し、自分のESがどの事実に反応するかを見る材料です。
| 企業 | 比較する観点 |
|---|---|
| サイバーエージェント | 広告、ゲーム、メディアで、企画・技術・クリエイティブの役割がどう違うか |
| 野村総合研究所 | コンサルティングとITソリューションのどちらで専門性を使いたいか |
| ANA | 航空への憧れと、安全、運航、顧客体験を支える具体的な仕事の違い |
| 味の素 | 食品だけでなく、研究、デジタル、クリエイティブを含む職種の違い |
| パーソルキャリア | 人への関心を、営業、企画、テクノロジーのどの仕事で形にしたいか |
記事を読んだ後は、必ず各社の最新採用ページへ進みます。募集職種、応募資格、提出物は年度ごとに変わるため、企業分析記事だけで応募判断を完結させないでください。
ESを開くのが怖くなったときは、再開単位を小さくする


完成稿ではなく、一つの設問と事実メモから再開する
落選が続くと、ファイルを開くだけで苦しくなることがあります。そんな日は、ES全体を完成させなくて構いません。
一つの設問を選び、「聞かれていること」「自分の事実」「次に確認すること」を一行ずつ書きます。その三行を、大学のキャリアセンターや信頼できる人へ持っていくだけでも前進です。
休む日は、次に再開する日時と作業を小さく決めます。「明日18時に志望動機を完成」ではなく、「提出済みESを一つ保存する」から始めましょう。
眠れない、食事が取れない、授業や日常生活にも手がつかない状態が続くなら、文章の工夫だけで解決しようとせず、大学の学生相談窓口や身近な人を頼ってください。ここでは状態の診断や医療的助言は行いません。
よくある質問


夏インターンで落ちた企業の本選考に応募できますか?
企業・職種・年度によって異なります。インターン参加を本選考の必須条件にしていない企業もありますが、「不通過でも必ず応募できる」という共通ルールは確認できません。
当該年度の募集要項、FAQ、マイページを確認してください。記載がなければ、採用窓口へ問い合わせましょう。
ES添削や生成AIはどこまで使ってよいですか?
設問への回答、具体性、読みやすさを確認する補助として使えます。第三者へは、確認してほしい観点を指定してください。
生成AIには未経験の出来事や未確認の企業情報を作らせず、面接でも自分で説明できる文章だけを残します。添削やAI利用が選考通過を保証するものではありません。
ESを何社出しても通らない場合、応募先を変えるべきですか?
第一志望をすぐ諦める必要はありません。ただし、Webテスト、応募条件、職種固有の提出物、人気企業への集中も確認してください。
志望軸を保ったまま仕事内容や職種が近い企業へ広げます。一度に大量応募するより、どこを変えたか記録しながら1本ずつ検証しましょう。
まとめ:原因を分けて、次の1本で確かめる


- ESの全国共通の平均通過率は確認できない。出典不明の数字で自分を評価しない
- ES本文、Webテスト、応募条件、職種固有の提出物、応募先の偏りを分ける
- 落ちたESを全部直さず、次の1本で変える観点を一つ決める
- 添削では、設問対応・具体性・企業との接点のどれを見てほしいか指定する
- 第一志望を残しながら、企業接点と応募経路も止めない
ESの不通過は、あなたの能力や将来を決める判定ではありません。原因が通知されないからこそ、確認できる事実を一つずつ分ける必要があります。
まずは提出済みESを一つ保存し、ES本文、Webテスト、応募条件、提出物、応募先の偏りのどこを次に確かめるか決めてください。
よくある質問
- 夏インターンで落ちた企業の本選考に応募できますか?
- 企業・職種・年度によって異なります。インターン参加を本選考の必須条件にしていない企業もありますが、不通過後の応募可否を全社共通にはできません。当該年度の募集要項、FAQ、マイページを確認し、記載がなければ採用窓口へ問い合わせてください。
- ES添削や生成AIはどこまで使ってよいですか?
- 設問への回答、具体性、読みやすさを確認する補助として使えます。ただし、経験していない出来事や未確認の企業情報を加えず、面接でも自分の言葉で説明できる文章だけを残してください。添削やAI利用が選考通過を保証するものではありません。
- ESを何社出しても通らない場合、応募先を変えるべきですか?
- 第一志望をすぐ諦める必要はありません。ただし、ES本文だけでなく、Webテスト、応募条件、職種固有の提出物、人気企業への集中も確認してください。志望軸を保ったまま仕事内容や職種が近い企業へ広げ、1本ずつ改善結果を記録すると原因を見つけやすくなります。